***秒読み開始!予告編!***
@今の計画では、8/10夜に出船予定。
 行きたい所?全道・全速・全開!
 8/19夕方に帰って来るつもり。(つもり)
 フェリーの往復以外に予定ナシ!マイッタか!             7/11UP

@あと10日デス。ヤバイ、お小遣いがネ〜っす。
 徹底的にチープツアーってのも面白いか?
 ・フェリー内での飲食節制!(これぐらいなら出来るか?)
 ・ビール(発泡酒)は1日2本まで!(こりはツライ!)
 ・和商市場には行かない!(う〜ん、海鮮丼が・・・)
 ・通して外食はラーメン2杯まで!(山頭火と山岡家か?)
 ・1日の食費は500円!(キャンプ場とか温泉と同じぢゃん)
 ・肉&お刺身は超控える!(あんまりダ)
 ・釣った魚を食卓に!(いや、リリースです!キッパリ)
 ・一番の出費!「お土産は一切買わない!」(よっしゃ、これで行こう♪)   8/1UP


@いよいよ明日ダ!まだ仕度はしてマセン。(キッパリ)
 10日23:50新潟港より出船。
 11日18:00苫小牧港着岸!ここより予定なし。さてさてさて?
   7日間の自由時間!(ビールはオヤツと見なします)
 18日20:15苫小牧港より帰船。
 19日15:30新潟港は暑いだろうナ〜。   8/9UP











////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
 
     [deja vu]

8月10日 金  夕立
  思い立ってHPを立ち上げて早4ヶ月。
  Let’s北海道をUPしながら、色々な思い出が蘇える。
  たとえ年に1回?でも、すでに体を構成する一つの要素になってしまった。
  エゾ中毒なのか北海熱なのか?
  頭痛・めまい・吐き気・息切れ・悪寒...日頃の様々な症状も、あの空気を吸うとケロリと治ってしまう。
  仕事の悩みもストレスも家庭不和も、たちどころに何一つ残らずに消し飛んでしまう。
  (あ、そもそも日頃から、そんなモノは無かったっけ?)

 PM8:00,夕立も上がり、昨年秋のままの荷物を車に詰め込んで出発。
高速で新潟港までブットバス。風速0、気温26℃。
途中でgisuke様からTELが有り、新潟市の“きんしゃい亭”で待ち合わせ。
 10:00,「密航したい!」と言うgisuke様の願いを、御家族の事も考えて丁寧にお断りする。
気持ちは解かるが、これ以上の犠牲者を出しちゃイカン! (^^;
・・・後日gisuke様談:「無理矢理にフェリーに乗せられるところだったですぅ。危ない人だなぁ〜。」

 11:00,フェリー着。雲の切れ間から、丸く明るい月が見え隠れしている。
ソソクサと手続きを済ませてから乗船。この便は初めてだ。夜に乗る便は直江津からだったし、
新潟からはいつも午前の便だった。だって、これしかチケットが取れなかったんだモン!
 例によってフェリーは満員。デッキに出て、持ち込んだビールで乾杯!
「待ってろョ北海道!今年もブイブイゆわしちゃる!」

 @このフェリーは旧式なのか、かなりショボイ。ま、2寝だから関係ないケド。ビール2缶でクタバる。
     〜138q


8月11日 土  晴れ  フェリー〜
 半分寝ながら時計を見るとAM10:20。もう少しトイレは我慢出来るので、またウツウツと寝る。
 ・・・・・・いよいよトイレに行きたくなり、「さっき10:20だったから、そろそろ11:00位かな?」
と思って時計を見ると10:20!「なにぃ、デジャヴ!」 今の出来事ですっかり目が覚めてしまった!
 虫の知らせか天からの声か?もしや何かの前触れか?
大ヒグマかトロフィーブラウンかスーパーレインボーの伏線だったりして!?
 とりあえずマブシイ太陽の降り注ぐデッキに出て、スズシイ海風にあたりながらモーニングビール!
天気ヨシ!寝すぎて体中が痛いけど絶好調!家からガメてきたクロワッサンで朝昼食。(←今回はセコイ)

 まだまだ時間は有るし、また昼とも夜ともつかない2寝のベッドで、ゆっくりと本を読みながらゴロリと。
  @開口健:知的な痴的な教養講座・・・ネタ本として愛読。
んで、読みながらまた寝る。いつの間にか眠るってのが気持ちイイ。(パソコンの前とか)


 PM5:00,苫小牧入港!5:30上陸!晴れ!涼しい!
まずは苫小牧市内まで戻って腹ごしらえ。目当ては“山岡家”「醤油ねぎチャーシュー大盛り、脂ッコク!」
あ゛ぁ〜1年振り。前よりも豚臭さが少ない気がする。あの香りがイイんだよナ〜。(^^;
「ナント!チャーシューがモモからカタになっている!」
 忙しい店長と色々オシャベリした。さらに“山岡家”が好きになる。
“新潟ラーメン倶楽部”の話しをしたら、店長がわざわざ駐車場までURLを聞きに来てくれた。
憶えてないので、オレのHPを教えておく。リンクで飛んで見てネ!
「北海道に行ったら、“山岡家”に行くベシ!!」

 さて、これからどこに行こうか?(←まだ考えてない人) 
悩んだ末に、今夜は日高に決定!鵡川を上るルート。いつもとは逆だ。100q位か?
 日高に入った頃に、北海道にANAで来ている べすぱる様よりTELが入る。
今、札幌の大ホテルらしい。オレはこれから野宿をキメ込む。TELの最中にエゾジカが出て来た。
早くもお迎えが来たか。今年もイイ事有るかな?

 8:30,日高キャンプ場着!昨年秋の最後の日と同じ所にテントを張る。
モノスゴイ星空!見上げると、北斗七星が大きなネットを用意している。
北極星はやはり真上だ。気温14℃、新潟から持って来たビール“ハートランド”で乾杯!

  スバラシイ星空の下、夜露を吸い込みながらこうして居ると、初めて北海道に来た時の事を思い出す。
  右も左も分からないままに放浪し、遥かさまよい続けていた。
  今は定職も有り、家庭も有り、HPも有り、もう一人じゃないんだ。
  でも、これだけはまだ卒業出来ないでいる。
  変わらない星空、変わらない夜露。明日も最高な天気になるかな?
    〜129q


8月12日  日 日高晴れ!  日高キャンプ場〜
 ん〜、テント内が暑くてAM6:30に目が覚める。トイレがてらに おさんぽ。
今は場内に立派なトイレが出来たけど、前まではコンクリートのあまり立派でない便所が有るだけだった。
それで、当時から道を挟んだ公園のトイレまで散歩するのが慣わし。
空いてるし、清潔だし、洋式だし、水洗だし、紙が有るし、そよ風が気持ちイイし。
せっかく早起きしたので、めしも食わずにテントを畳んで釣りに。水温が上がらない内にトマムにGO!

 7:30,昨年やめた場所から入る。んで、早速ニジ2匹!GOODなプロポーション!
腹減った、ビール!(^^; 陽射しは暑いが、風はメチャクチャ涼しい。
 一旦上流へと向かい、ポイント毎に釣り下る。過激な反応ではないものの、ソレらしき所には必ずニジが潜んで居て、通りすがりのルアーにアタックをかけて来る。
 流芯をミノーで探ると「ゴンッ!」っと引ったくられ、ジャンプ一撃でミノーが飛ばされる!
これぞニジの成せる技!スーパーヒーローは、また流れに帰って行く。 バーブレスでいい、キャッチしなくてもいい。この瞬間の感激とは、「悔しい!」よりも「嬉しい!」
 対岸の流れで着水から数回転で押さえ込まれ「ムム、チトデカイ?」オレがロッドを立てるが早いか30クラスの魚体が宙を切る!ティールウォーク!「ぬ゛ぉ〜ッ!」下流にツッ走って2ndジャンプ!ルアーが飛ばされる!
 「スッゲ〜ッ!!」

 リリースし易い様に、ペンチでカエシを折ってバーブレスにする。ティールウォークが見たいからロッドを立てる。間違いなくキャッチ率は落ちる。こと、ニジの場合は特に。これは自然に優しいのか?魚を釣ってる限り、自然に優しい釣り人は存在しない。自然に優しいのは、川に入らずに橋の上から釣った事を想像してニヤニヤしてる事。
 オレはリリースとか言いながら、偽善行為を前に出す極悪非道人だ。でも、自分がリリースした魚がこの川に居て、また会いに来れるって素敵じゃん。エゴ無しでは自然保護は成り立たない。なぜならば、「この自然をいつまでも・・・」ってのもエゴでしょ?自然・不自然を決めてる事自体が、人間の不自然な行為ではないだろうか?
 今の内に沢山の経験をして、いずれは頭の中で釣りをするかも知れない。どんなポイントも、どんな魚も自由自在に釣るんだ。ものの本で、美食を極めた者達が目隠しをされて、香りと感触だけで想像して恍惚になるってのを読んだ事が有る。が、残念ながら、まだその域には達していない。
キャッチ&リリース8匹、ジャンプバラシ3匹、水中バラシ4匹。サンキュー!

←このダイナマイトボディーを見ヨ!
 顔と体高の対比がケタ違いダ!
 ティールウォークは必見!
いよいよ陽射しが強くなり、橋の下の日陰で腹ごしらえ。
とりあえずビールと。つあぁ〜生き返る!
昨日ローソンで買って来た“必殺ホンコンやきそば”を作る。
8R全開!具は恒例の玉ネギとサラミ。
これって内地にも売ってるのか?
青ノリの香りがはなはだヨロシイ。



 いまだにどこへ行こうか考えながら、釧路方面にでも行こうか?青空OK!窓全開!行くゾ!
新得のスタンドで給油。キャンペーン中で、BOXティッシュ5箱もらう。ラッキー!さらに地図と旗をGET!

 釧路に向かう途中で、昨年の大アメの川に立ち寄る。犯人は犯行現場に必ず戻るらしい。でも、先客のエサ師が居たので下流に入り、減水した昼下がりの川でヤマメ1匹。
 車でず〜っと下ってから、アメマス2匹。この川も豊饒だ。

 峠を下って太平洋側に出ると、フロントガラスが濡れる程の濃い霧がかかっていた。
6:30,今年も釧路に行くのをクジケて、またまた馬主来キャンプ場へと濃霧の中を向かう。
 キャンプ場は思いの他ガラ空き。駐車場横の1等地?を確保。ここは整地されて芝生で、その下は山砂か?ペグ性が非常にヨロシイ。ペグを入れる時に、片手だけでZuggggっと最後まで入ると自然に頬が緩み「寝る価値有り!」と思ったりする。海から大粒の霧が流れて来て、チト寒くなって来た。
 たとえ濃霧でも、例によって蚊が居やがる。上着を羽織って夕食のしたく。買出しに行ってないので(注:昨年と同じジャン!今まで何してたんだか?)、車に有る物でと。
 虎の子の“マルタイラーメン”を2食作るゾ!ホエブスをセットし、鍋にカップ4杯の水を沸かす。トンコツには昆布がマッチするので、“シマヤこんぶだしの素”を入れてと。硬めに煮てからスープと濃口醤油・玉ネギ微塵切り・ニンニク・豆板醤・桃屋やわらぎ・ドライあさつきをタップリと。
このスペシャルマルタイをエビスで流し込む大胆不敵な快挙!

 テントの中に侵入してた蚊を5匹葬ってからオヤスミ。さむ〜。
    〜283q


8月13日 月 濃霧  馬主来キャンプ場〜
 AM7:30,さむぅ〜!まだ霧かョ。とりあえずスベアでコーヒー。
霧も手伝って、この寒さはナンダ!本当に真夏か?
 海岸を散歩すると、怪しいげな魚とか昆布が落ちている。昆布ダシの中で泳いで居れば、美味くもなるわナ。
海風は涼しくヒンヤリとしていて、夏である事を忘れてしまう。海水浴客が居ないのもうなずける。昆布ダシの海水を舐めてみると、はんなりと旨い気もする。いや、気がするだけ。
 10:00までのんびりしてから移動。ハラヘッタ!目の前は釧路。て事は、和商市場か?!

 チープツアーのハズなので、見るだけ試食するだけ。(の、つもり)
早速、クジラの赤身ブロックを発見!価格は280〜580円/100g、安い?六日町のスーパーで、脂身が1000円/100gだったのに!さすがは本場だけある。(まさかイルカか?)
 とある店のオヤジに呼び止められ、「うちのイクラは醤油が違う!」と。なるほど試食すると、他店にない香りがする。たまり醤油だなコレハ。適当に誉めてから行こうとすると、今度はタラコを出して来た。う〜ん、甘口でウマイ!
「これ、グルタミン酸入ってるでしょ。」「良く判るね、どこでも入れてるよ!(キッパリ)」
・・・北海道のタラコにまでアトムの手が!

 ややっ!気が付いたら、左手に大盛り御飯と魚貝類の破片が乗ってる!
「こ、これはまるでお好み海鮮丼ぢゃないか!」無意識の内に買ってしまった様だ。(^^;
イカ・ホタテ・ウニ・イクラ・超大トロ・クジラ・タコ、この超大トロは霜降り!(シマシマではない)贅沢は今だけ。
「絶品!」「とろける旨さ!」「クジラもナカナカ!」「あ゛〜うにぃ〜!」「エビス〜ッ!」

 看板にURLが書いてある店(八鱗)に行き、この辺でパソコンが使える所は無いか聞いてみる。
「この先のNTTに行けば?」との事。NTT釧路(200m先)の、“Com-ぷらっと”でパソコンを使わしてもらい、自分の所とgisuke様の所にカキコ「北海道から愛を込めて」。さすがNTT様、感謝感謝。

 出発。弟子屈に向けてGO!途中でシロンドー温泉へ、500円也。はんなりとした塩味。
〜R391を堪能してる内に霧が晴れてる。やはり太平洋側だけだったか。

 4:30,弟子屈のスーパーで買い物をしてから、知床へと向かう。夕方までに間に合うか?
 〜〜〜斜里を過ぎてから、オホーツクの夕陽がキレイだったので道草。夕陽を撮影するって事は日没か?水平線にオレンジ玉が沈むのを見届けてから、全開でカットバス!陽が沈んでも、まだまだ明るい。

 6:30,オチカバケ川?河口着。まだOKか?
タックルをセットしてイザ!釣り人は5〜6人。
輝きを徐々に失って行く海面では、ピンクが盛んに跳ねてる。
 (^O^)/~ ち〜っす!
虹色の水平線にキャスト!オーバーホールした5000Cは、滑らかさこの上なし。風も無く、オホーツクは凪いでいる。
この水平線を見ていると「来てヨカッタ!」って思える。
虹は暗い海と濃紺の空に挟まれながら、徐々に徐々に細くなって行く。

 掴みはOK!車に戻り、さて、どこで寝ようかナ、と。 ここは携帯が入らないので、オシンコシンまで移動。
すでにPは埋まってる!無理に混んでる所に入りたくないので、トンネルを抜けて反対側のPに行くと、車は数台。

 夕飯の支度をしてると、隣の陽気な札幌おやじ2人に、ピーク1ランタンをエサに絡まれる。(^^;
実はここは、道路の下から小さな沢?が入っていて、このワンドにもピンクが集まるらしい。
ホントに穴場なのか?釣れない事には話しにナラン!「昨日は、今朝は、明日は...?」

 星を見ながら、炊きたてのコシヒカリに豚バラのシシトウ炒め。
寝る前に、ランタンを消してから星空ウォッチング。スゴイ星空!えらく長い尾を引く流れ星も降って来る。
 「明日も、満点の一日であります様に。」
    〜269q


8月14日 火 超晴れ!  オシンコシン裏P〜
 AM4:00,予定通りに目覚ましが鳴る。明るい、まだ4:00だゾ!
車の数は昨夜の倍。このワンドは初めてなので、道路から様子を見る。居る居る、釣り人が。もう夜は明けているのに、釣り人と海面は、まるで真夜中の様に沈黙を続けている。
 昨夜の札幌おやじ2人の話しでは、まだ群れが小さいらしい。「あと1週間だな。」とか言ってた。
海は凪。ピンクのモジリの無い海面の遥か向うに綺麗な朝焼けが見える。「一丁行きますか!」
 水深の有る岩場にはエサ師が居るので(全員)、手前のテトラポット下から入る。引き潮も手伝って、手前は浅く、藻が絡んでやり難い。ここは場所的に×だゾ!

 昨日のオチカバケ?に移動。凄い数の釣り人だ。流れ込みも有るし、さっきの所よりも入ってる。
んで、新参者は1番端に。ここも手前が藻だけど、遠投すればOK。沖でピンクがハネている。朝焼けの消えた水平線にフルキャスト!ABU5000Cは、苦も無くピクシー1/2ozを沖へと運んでくれる。
 何ヶ所かの藻の切れ目がつかめて来た。ルアーの動きを頭に描いて巻いていると、小さなプルプルってな手応え。「カジカでも釣れたかな?」 上げて見ると、アイナメ?みたいのが、自分の口よりもデカイフックをくわえている。「ナメンナヨ!」そっとリリース。しまった、味噌汁にすれば美味かったかも?
 沖目で盛んにピンクがハネているのは分かるけど、とても届かない。フルキャストして藻の切れ目を丹念に探るが×。陽も昇って来て、暑くなって来た。他の釣り人が釣ったのも見ていない。パーカーもベストもカメラも置いてアタック!
「オレ1人でも釣らねば!」

 8:30,乾杯エビスが、完敗エビスになっちまった。でも“釣り”は楽しかった。
昨夜の残りをチャーハンにしてヤッツケる。木陰の下で心地良い。釣れなくてもビールがウマイゼ!
 本当に満足したのか?ピンクが居るのが解かってるのに。  さて、今日はどこに行こうか?
「厄介払いしたと思っているピンクサーモン達ョ、我はまた、この地に舞い戻って来るであろう!」

 気温20℃、陽射しが痛い。今日のキャンプ地は朱鞠内に決定。300q位有るか?ただ行きたいだけ。
途中の小川でヤマメをからかう。昨年イモ畑だった所は、牧草地になっていた。
 走る走る、暑い暑い、まだクーラーは入れない。ビール!こんなにも暑いのに汗が出ない。風は心地よく涼しい。
町らしい町、北見を抜けてまだまだ走る。ノンストップで走る。昼を過ぎると、風がぬるくなってきた。でも、クーラーは入れない。ビール!

 美幌を抜けて峠を上ると大雪山が見えてきた。
まだ雪が見える。サスガ大雪山!
 このルートは9年振りかも知れない。見覚えの有る交差点、見覚えの有る橋、見覚えの有る川。
 懐かしい層雲峡を抜けると、“流星銀河の滝”なんてのが有った。凄いネーミングの滝だ。9年前にも有ったかな?

 上川町を通ると、至る所に“日本一ラーメン”なる看板が有った。
「ナニ、日本一だと!これは食わねば!」とか言って入ってはイケマセンネ。もしかして、値段が日本一かもしれないし、はたまた化学調味料が日本一かもしんないし。(^^;
 まして国道沿いのドライブインだし。
「上川町様、今度食べに来ます。」(“日本一”が、何であんなに沢山あるんだ?)

 PM4:20,痛い様な陽射しの中、朱鞠内キャンプ場着。受付で500円払ってから第2に入り、前と同じ所にテントを張る。ポツポツとファミリーキャンパーが入っている。気温28℃。とりあえずビールと。
 ここは湖岸に面した、白樺の中のキャンプ場。木陰で思いの他涼しいし快適。直射日光が当たらないと、こんなにも過ごし易い。「来てヨカッタ!」 おぉっ、ケイタイが入る様になっている!(北海道は太っ腹ダ!)

 ビール飲みながら これを書いて居る内に、気温24℃。
陽も暮れ、蚊が出て来やがった!そう言えば、前もそうだったナ?
バラ肉とシシトウが余ってるので、シシトウに豆板醤を付けてビールのツマミにする。まだ当たりはない。
バラと玉ネギとシシトウを塩コショウで炒めて(昨夜とは味付けが違う)、炊きたてご飯と「いただきま〜す。」

 テントの中は、暑くも無く寒くも無く、快適そのもの。
夜食にソバを茹でて、ザルソバを食べようかという目論みは淡くも崩れ、またまたランタンを点けっぱなしで、本を読みながら寝てしまう。でも、これがしたいが為に、テント生活をしている様なものだ。
    〜340q


8月15日 水 薄曇りのちドピーカン  朱鞠内キャンプ場〜
 AM7:30,快適なる目覚め。テントの中はチト暑いか?外の気温は22℃、誠にヨロシイ。
空はウス曇りで、青白マーブルの雲が流れ、時折陽が射すとキョーレツな光線が刺さってくる。
 ファミリーキャンパーの奥さん達は、2バーナー(もちろんガス)相手に朝食の支度。
お盆にこんなにもスイテル何て、サスガ朱鞠内!来てヨカッタ!昨日、受付のオネーチャンは「第2・3はけっこう入ってますよ。」とか言ってたけど超快適で、オレ的に理想の人数。隣のテントまで、ピンクサーモン用のタックルでの射程距離ギリギリ位。
 9月にでも来れば最高だろうなナ。ヒンヤリとした朝はには、リス・キツツキなどの住人達も見れるし。

 オレのキャンプ場選びは「あそこで寝たい!」それだけ。
ロケーションさえ良ければ、水場とトイレが有れば十分だ。欲を言えば、芝か山砂。平でペグ性が良ければ言う事無し。しかし、これだけは譲れないのが「混んでない」事。あ、温泉が有ればさらにヨロシイ。今頃、阿寒湖のキャンプ場にでも居れば、ヒドイ目に遭う事受け合い!でも、この時期をハズせば、道内どこでも快適ダ。
 こんなにも遠くまで“泊まり”に来て、この素晴らしい朝を迎えられるのは、最高の贅沢かも知んない。
今日、ここだけの最高の朝にカンパイ!(^^;

 コールマン2バーナー(当然ガソリン!)で皿にお湯を沸かし、その上に冷飯の入ったクッカーを置く。この湯せんで温めたご飯と、桃屋ファミリー(ごはんですよ!・やわらぎ・ザーサイ)、サラ玉トン汁で定番の朝食。
 陽が射して来て、白いご飯がメチャクチャ眩しい!この眩しさを、どう表現すれば良いのか?・・・「!」
カメラを使って、この眩しいご飯をスポット測光!ISO400で、1/4000、f16の光量である。「うん、マブシイ!」

 10:30,28℃、超晴れ!ビール一発!
ダムの下から左側の道を行くと、すぐにジャリ道になった。以前に通った林道はこの道だったかナ?
道は程なく狭くなり、4WDに切り替えて、土煙を上げながら林道?を登って行く。
 狭いカーブを曲がると、突然目の前にエゾジカの親子が!「あっ、9年前と同じダ!?」
そうだ、この道、このカーブ、この瞬間に9年前の記憶が蘇える。このカーブで、イキナリ出て来たエゾジカ親子の事を。この道だったのか。違う林道だと思ってた。て事は、この先には川沿いの所が有るハズ。

 有った♪ 9年前にも、今みたいなメチャクチャ暑い中で、この川で釣りをしたんだ。
ルアーを持って川に。暑い!水温19℃、チトぬるいゾ! 倒木が被さったブッツケにミノーを送り込むと、水中にも枝が有るらしく、1投目から根掛かり。「いいポイントなんだけどナ〜...」しょうがなく川を横切って回収。
 そのまま下流に投げて探りを入れる。 と、重い手応えでヒット!アメマスである。
オレが流れの中に立って居るのに、4〜5m下流で喰って来やがった。
「アメマス君、釣ったのがオレだったからイイケド、オマエ人生投げてないか?」
バーブレスフックを、そっとハズしてリリース。「いいか、変な物音がしたら、岩の下に隠れろヨ!」

 この1匹のみで川から上がり、また林道を登って行く。
確かこの先に、一般道に出る所にコンクリートだけの駅が有ったよナ?深名線の駅だったか?
 それらしき行き止まりまで行くと、線路も駅も、どこにも無い。9年前にここに来た時には、確かに有った。
間違い無くここに有った証に、線路が有ったと思われる所には小石が敷き詰められ、まるで道の様になっている。
コンクリートだけの駅は跡形も無くなっていて、いずれはここも原野になるであろう。
 深名線廃止とかTVで見た気がするが、金まで使って壊す必要が有ったのだろうか?草の生え方から見ても、それほど古い傷ではない。取り壊すよりも、そのまま朽ち果てる方が、より自然なんだけどネ。

 まだ新しい盛り土の隙間から、線路の名残りのイヌ釘を何本か見つける。何気なく近くの柳の木を見ると、根元に丈夫そうなプラスチィックのコンテナBOXが置いてあった。誰かの忘れ物だろうか?マジックで何か書いて有る?
      2001 8/14〜
     深名線 蕗の台駅 旅ノート
     蕗の台駅常備品 持ち出し禁止


 「こ、これはカキコ帳ぢゃないか!」
たぶん深名線ファンが置いた物であろう。それも昨日の事。
頑丈な密閉されたBOXの中には、ノートとボールペンが置いて有り、すでに今日の日付で第1号のカキコがされていた。
     13年8月15日
     道にまよったよ! 線路がないよ!
     線路を見に来たのに! 大阪からですよ!

 では、オレも第2号としてカキコ!
     Let’s 北海道 番外編  2001,8,15  超晴れ!
    AM11:30,たしかここに駅が有ったハズ?
    9年前の事なので、さだかでないが。
    オレもここに駅を見に来ました。
    ○○様、ありがたくカキコさせていただきます。
    オレは新潟から来た“野良屋”と言います。
      http://www5.ocn.ne.jp/~noraya/
    も〜サイコ〜の青空! (^^)v
    このBOXが、来年もここに有る事を願います。
      ではでは!

 この企画はオモシロイ!オレもどこかに設置しようかナ?
ここに来る楽しみが増えた。(^^) 12:00移動、暑い!!


 猿払に行こうかと思ったが、あまりにも遠過ぎる。
美深からR40でUターン。目指すはリベンジ知床!300q位か?夕方には着けるか?
 オホーツクハイウェイに出ると、メチャ涼しい。サスガ北海! 意外に車が多いナ。お盆だし。
こんなに車が多くても、止まらず流れている。特にこの道は真っ直ぐな一本道で、信号も町?が無いとモチロン無い。
走る走る、停まらず走る!目指せ知床、ピンクサーモンが待ってるゾ!

 網走で混むのが嫌なので、湧別から遠軽に抜けて内陸部を通るルートに。
後は何時に着けるか?陽はどんどん落ちて行く。間に合ってくれ!
斜里で日没、まだ明るい、もうすぐだ。

 PM6:50,オチカバケ川?河口着。まだ釣り人は居る。水平線もまだ明るい。「頼むゼ!」
目の前で盛んにピンクがハネてる。「イケルか?!」 薄暗い中で、5000Cはバックラッシュもせず、ルアーを虹色の水平線まで運んでくれる。時折ゴツゴツと、PEラインがピンクに触るのを感じられる。
 もうルアーは光りを放つ事無く、海面下のシルエットだけになっているハズだ。
1人帰り、2人帰り、暗い海岸にはオレ1人になってしまった。モジリが有っても、アタリは無い。
 正面の空には北斗七星がハッキリと見え、水平線の赤紫が消えた頃にズシンと来た。
「ヒット!」その瞬間から5000Cのドラッグが鳴き始めて止まる事無く走られる!「スレか?」
10ftのロッドを高く構えてPEが出て行くのを耐えながら見守る。たぶん、60オーバーのオスの背中にでも掛かったんであろう。強烈に横に持って行かれる。PEは14lb、リーダーは10lb、このタックルを持ってしてもスゴイ引きで、全く巻けずにラインだけが容赦なく出て行く。
 50mほど引っ張られた挙句に、フッと軽くなる。ちょっとホッとした。いくら大物でも、スレでは釣りたくない。
北斗七星の大きなネットは必要無かった様だ。明朝は、バーブレスのシングルフックでやろう。

 Pに帰ると、車中泊の車が4台位。
久々の感触が残る手で、まずはビールと。GOOD!
コンビーフをツマミに、レトルトハンバーグとカップメンで豪華なディナー。

 今日も、星に願いをかけてから寝ようか。
「明日もステキな1日であります様に...」
    〜374q


8月16日 木 オホーツク晴れ  オチカバケ?河口P〜
 AM3:00ジャスト、ケイタイの目覚ましでオッキー!まだ暗いので、も少し...
4:00,しまった!もう明るいぢゃないか!出撃!!
 やっぱり1番端ナノネ。釣り人は30人位、9割はエサ師、ルアー師が3〜4人か?
もちろん、全員がスピニングリール。いまだかつて、ベイトリールで挑んでる人を見た事ナイ!
て事は、少しはオレの噂がたってもイイ訳だが?(←単なる変人)

 多少沖目だが、今日もピンクは跳ねている。海面は昨日よりも更に低い。
殺気立った気配は無く、エサ師もノンビリとしている。
 バーブレスのシングルフックに替えたピクシーをキャスト!ルアーを知った頃の釣り雑誌には、「サーモン達にはピクシー!」と有った。凸凹したスプーンの真ん中に、プラスティックのイクラがハメ込んである。これがソソルらしい。
 9年前に、初めてピンクサーモンを釣ったのもピクシーだった。
道内のルアー師がタスマニアンデビルを使おうと、タコベイトを使おうと、オレはこのピクシーで釣りたい。
「届け水平線の彼方まで!」
 ABU5000Cは低いウナリをあげ、ピクシーは虹色の水平線に吸い込まれる。
着水、「カチャッ」、クラッチイン。スミス10ftを高く構え、あまり沈めない様にスローリーリングしながら、5回転に1回位ポーズを入れる。時折、藻に絡まれながらも、あての無いキャストを繰り返す。願いだけはタップリと込めて。
 近くのエサ師がボヤく。「今週はどこもダメだな...」
いや、んな事はない!今までもエサ師が誰も釣ってないのに、オレだけはシッカリと釣ってた。
1匹でいい。たった1匹で。さらに願いを込めてキャストし続ける。
もう水平線の虹は見えない...  「No can do!」 

 AM7:00,車に帰り、ビール片手にソバを茹でながら、「ま、こんな年も有るサ」と自分に言い聞かせる。
朝からこの陽射しの下で、冷たいソバが旨いぢゃん!
 さて、今日はどこに行こうか? キャンプ出来るのは、あと2日。
まだ行かねばならない所が有る。糠平とトムラウシ。残りの2日は、そこに決定!
たまには知床峠を越えてみようか?

峠を登り詰めて羅臼側を見ると、太平洋の霧が全てを包み隠し、まさに雲海状態。
オホーツクと太平洋で、こうも景色が違うか?
真っ白な雲海の向うに、国後島の山だけが頭を出している。太平洋の霧のお陰で、なかなか見れない景色をGET!

 羅臼に降りると、やっぱり霧。気温21℃。
窓全開って訳には行かない位の涼しさ。
 

 弟子屈まで来ると、青い空から強烈な陽射しが降り注ぎ、「やっぱ、こうでナクッチャ!」
 阿寒を抜け、ピーカンの足寄川でチト寄り道。
ミノーを投げると、一流し目からニジがヒット!ジャンプ!「あっ!」見事な空中ハズシの妙技。
同じポイントから、またしてもヒット!飛ぶ飛ぶ!これはキャッチ、んで、リリース。「サンキュー!」
 上流まで行ってから釣り下る。ダウンストリームでのアタリは明確でヨロシイ。
「ゴンッ!」と来て、30クラスがジャンプする。「チョエ〜ッ!」見事なバラシ。「スゴイッ!」
その後、2匹掛けるがキャッチできず。「素晴らしきかなバーブレス!」5匹掛けてキャッチが1匹とは!
 この川はニジが濃いけど、川が垢で臭くて、今ひとつ本気になれない。

 PM4:40,糠平着。程々に混んでる。やはりバイクの人数が多い。
第2(隣の空き地)の1等地にテントを張ってから、ギョウザをツマミつつエビスでカンパイ!
 今夜はカレー(100円)です。さて、ご飯を炊いてと。

 夕食後に、“富士見観光ホテル”の温泉へ。
「まずは足から...」って「ぬ゛熱い!」軽いヤケド位のビリビリさ!
毎度ここは熱いのが解かってるけど、今日のこの日は許せない位に熱い!
とても入れん!50℃は有りそうだゾ!手も入れられない。
ホテルの人は、これに入った事有るのか?江戸っ子か?
(どこかのラーメン屋しかり。客に出すのを食った事有るのか?)
 体だけ洗って出るのもシャクなので、息を止めて歯を食いしばってソ〜っと。
オレが入ったのを見てか、足だけしか入れてなかった隣のオヤジも腰まで入った。
目こそ合わせないが、こちらの動きを意識してるようだ。お互いに腰までの沈黙が続く...。
オヤジの視線が最深部を見つめてゴクリと生ツバを飲むと同時に肩が動いた。
 「させるか〜ッ!」
オレの方が一足先に最深部に行き、肩まで浸かる。
(!!!100数えたら出よう!!!)「お゛〜ぬ゛〜あ゛〜っ!!!!!!!!!!!」
    〜325q


8月17日 金 曇りのち雨のち晴れ!  糠平キャンプ場〜
 AM7:30,例によって満水状態で目が覚める。湖岸のレストハウス前のトイレまでおさんぽ。
ここ糠平キャンプ場の標準装備のトイレも逸品!支笏湖美笛のトイレ無き今となっては、トムラウシか糠平かで甲乙、いや、丙丁を争う勢いである。
ナニがって、一瞬にして目が覚めるパワー!暑い日中にでもしゃがみ込んだらもうアナタ!
 てな訳で、散歩がてらに湖岸のトイレまで行くのであった。(^^;
まだ観光客も来てないし、朝の空気も心地好くて最高の散歩だ。エゾリスがチョコマカと走り回ってる。エゾジカも散歩に来るらしい。国道と湖に挟まれた場所なのに、ここでも自然が満ち溢れていた。

 スベアに火を入れてコーヒー。気の早いバイカー達は、もう出発の準備をしている。
ご飯を温めて、桃屋ファミリーとサラ玉トン汁でいつもの朝食。ん〜、北海道の朝だナ〜。
天気は暖かいけど曇り。今にも雨が降って来そうな空模様。

 10:00出発、気温20℃。然別湖も寒そうな波が立っている。窓全開で走るにはチト無理がないか?
窓全開にしたいので、長袖の上着を着込んでから一発!「今朝も快調ナリ!」
 峠を下りてからフェリーにTELして、明日の2等寝台の空きを聞く。
「ラッキィ〜ッ!ビンゴ!!」2寝のキャンセルが出たらしい。これはウレシイ!もう何の不安も無いゾ!予約b何度も確認し、さて、御祝いに十勝牛のステーキでも奢っちゃおうかナ?
 てな訳で、トムラウシに行く前に新得まで十勝牛を買いに行く。
途中の十勝川を見ると、橋の下流にエサ師が1人。まだまだ時間が有るし、たまには中流域の本流もイイかも?

 新得の町中に入り、まずは大スーパー“フクハラ”に。ここで軽くお土産用の“ダブルラーメン”と“ホンコンやきそば”を買い込む。目指す十勝牛は、この裏の郵便局の隣、“上田精肉店!”
 「十勝牛のサーロインは有りますか?」
旦那さんは薄笑みを浮かべつつ、奥の金庫から大事そうに塊りを持って来た。スゴイ霜降り!
 「に、200gお願いします!(キッパリ)」(^^;
 パンフレットを貰うと、ここはHPを持ってるみたい。イカスゼ上田精肉店!
エゾ鹿の肉も扱ってるので、お土産用にこれもGET!(って、チープツアーの話しはドウナッタ?)

 PM1:00,今にも泣き出しそうな空の下、初の十勝川本流に入る。
渇れて程々な水量の川は、魚野川の塩沢付近を思わせる。チンケなミノーとは言わずに、得意なスプーンタックルでアタック。来れば一発大物でしょう!
 さっきエサ師が入ってたプールから攻める。
まるでオレにヤッテクレと言わんばかりの流れに、サブマリナーのフルサイズをキャスト!「イイ動きしてるゼ!」
丹念に流れを攻めるが、ヤマメっ子の追いも無い。水温高そうだし、思ったよりも単調な流れだし。
 エサ師は上流に行ったので、オレは1つ下流のプールに。
流れが岸にぶつかって複雑な流れを形成し、倒木も有って絶好な大物ポイントになっている。水深も有り、隠れ家も有り、何か必ず出て来るであろう。
 上流から岸のブッツケにパニッシュ85SPヤマメカラーを慎重に送り込みながら丹念に探りを入れる。
大アメか大ニジがあの中に潜んでるに違いない。流れに乗せて倒木の下まで神経を行き渡らせる。
・・・反応なし、追いなし...
 今度は、静かに静かにプールの中程の岸に移動して、巻き返しの深場を狙う。
水深が有り、縦横無尽に巻いている流れを攻めるにはどうするか?
パニッシュでは流されてしまうし、サブマリでは浮き上がってしまうであろう。
 やっぱ、頼みの綱はコレでしょう。“オークラ13gグリーン”
塗りがハゲていたが、迷わずコレをチョイス!さて、得意技が出るか!?
 アップストリームで対岸の倒木ギリギリに落とし、スミス8ft改を立てながらナチュラルドリフト。
ラインテンションの加減で水深を探り、今、オークラ13gはヒラヒラと淵底を舞っている。
 何投目かのトレース中、クリアーな流芯で40クラスがギラリと光ってアタックして来た!
ラインには変化が無く、食い損ねた様だ。例え見えてもアワセない。また食ってくるハズ。
あの動きはニジに違いない。何回もトレースするが、その後は反応無し。

 手前の巻き返しを攻める。流れが一様では無く、どうしてもルアーが浮いてしまう。
左からの流れにブチ込み、淵底までルアーを引き込んでもらう。今の位置も水深も、勘だけが頼りだ。
 頭の中のイメージで、根掛かり寸前でラインにテンションを掛けて、舞う様に、踊る様に、逃げる様に...
ナチュラルドリフト限界のラインテンションで、「ドスンッ!」とソイツは喰って来た!
偏光グラスを通してソイツが喰らいついた瞬間から視界に飛び込んだ。「デカイッ!!」
   体長よりも体高の方が目に焼きつく。
   間違い無く50オーバーの超ニジ、いや、スーパーレインボーだ!
   思う間も無くスミス8ft改は弧を描き、スコーピオンは音も無くラインを吐き出している。
   容赦無くプール入り口の流れに突入しながら一発!「飛んだッ!」
   誠見事な体高のスーパーレインボーが宙に舞った!「スッゲ〜ッッッッ!」
   60cm近い光り輝く全身を誇示するかの如くのティールウォーク!
    「釣りたい、コイツだけは釣り上げさしてクレッ!」
   重い流れをモロともせずにラインは出て行くばかり...

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 当時、ルアーを知って間もない中学1年生の5月、魚野川で58pのサクラマスを釣り上げた。
何が何だか解からなくなり、無我夢中でロッドにしがみ付いていたっけ。
ファイトしながら泣いてたのを覚えている。

 95年、10月の糠平での事...
80ブラウンは、成す術もなくスローなティールウォーク一発でパニッシュを吹き飛ばしてくれた。

 今年の銀山もまた、今と同じシステムで挑んでいた。
舟を引っ張られ、70mもラインを引き出されて、姿も見ない内に幕切れとなったが...
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 今度はゆっくりと対岸に向けて走り始める。
流芯で向きを変えて2度目のジャンプ!瞬間、夢とも現実ともつかない記憶に支配される。
  「あっ、このロッド、この流れ、この対岸、このティールウォーク、前にも見た気が・・・。」
  「・・・間違いない、いつか見たシーンと同じダ!」

 釣りたい、釣り上げたい。
  {神様、アイヌの神様、お願いです、コイツを釣らしてください。}
  {お願いだ、助けて!}
  {お願い、釣らして、助けて、お願い、お願い...}
  {コイツを釣ったら、もう今日は釣りをしません、お願い、釣りたい、助けて、お願い、釣らして...}

 リプリーが神頼みするのと同じ様に、何度も何度も口ずさむ。

 下流のプール尻に走り込む。弓なりのロッドを構えながらオレも移動する。
巻ける!頭がこっちを向いた。流れから引き離すと徐々に近づいて来た。
 「デカイ!広い!太い!」
サングラスを外してカメラを構える。水面で暴れているのがファインダーを通して見える。
そのまま岸へと誘導すると、素晴らしいプロポーション!
オークラのフックはガッチリと掛かっている。カメラ!
ネットは使わず、フックを外す前にその大いなる魚体を目に焼き付ける。
こんなにも綺麗な魚体は見た事無い。メジャーを当てると58p!
感激で震える手でフックを外すと、意外にも簡単に外れた。
「ありがとう、サンキュー、バイバイ!」
エメラルドグリーンの高い背中をファインダー越しに見送ると、ゆっくりと、そして力強く元のプールに消えて行った。
旅は熟した。何もかもが消し飛んでしまった。
「素晴らしい、サンキュー!」

 PM1:40,あの1匹で釣りをヤメて車に帰ると、ほぼ同時に雨が降って来た。
あのスーパーレインボーとアイヌの神様にエビスで乾杯!
 一息ついて空を見上げながら「ありがとう!」って叫ぶ。
雨とも涙ともつかない滴が、耳元を流れ落ちる。
  誰が挑んでも釣れたんだろうか?
  パニッシュやサブマリでも釣れたんだろうか?
  もしも立つ位置が1歩前だったら.....
  あの夢?を見ていなかったら.....


 さて、トムラウシも雨なのかな?とりあえず出発。
途中から雨は更に降って来た。目指す山は白く煙って見えない。最後のキャンプだからスバラシイ夜にしたい。
 Uターンして一路日高へ。十勝地方と日高地方では天気が違う。
ヤマカンで日高は晴れてると判断!新得から右に曲がり、トマム周りで行く。
峠を上って行くと雨が止んで来た♪更にトマムに入ると青空も見え、路面も乾いている。「ビンゴ!」

 まだ早い夕刻、日高キャンプ場着。晴れ!思いの他スイテル。
広い芝生の中の大きな木の下にテントを張り、夕食前に日高高原荘の温泉に。
 ここち良い湯加減で、イイ香りもする。ヤッパリ日高だよネ!

 米をといで夕飯の支度。残り1本の“ハートランド”で乾杯!
十勝牛のサーロインがフライパンに入り切らないので、端の方を薄く切って、牛刺しでツマミにする事に。
醤油とワサビをチョと着けて食べてみる。生でも箸で切れる程の霜降りの十勝牛は、奥歯の裏まで芳醇な甘味で包み込み、「これは美味い!」・・・コレを焼いたらさぞかし...♪

 ご飯が炊けたので、そろそろメインの十勝牛ステーキを!
眩いキラメキの光り輝く霜降りサーロインに、塩と荒挽きコショウ。2バーナーの強火で両面をザッと焼き上げると、香ばしく高貴な香りが漂って来る。「上出来!」 そのフライパンに空かさず薄切りの玉ネギを入れ、肉の脂と素早く絡めて、ガーリックと醤油で味付けする。付け合わせもOK!
 ナイフの重さだけでもスッと切れてしまう柔らかな十勝牛ステーキからは、まるで果汁の様な薄ピンク色の肉汁が溢れ出し、こんなにも流れ出るものかと、ついその切り口に見入ってしまう。
 「・・・美味いっ!」 火を入れた事によって甘味と香りが増した十勝牛は、噛まずとも舌先だけでもジュースが口いっぱいに広がり、円やかで芳醇で、食感だけでは牛肉とはとても思えない様な柔らかな肉に、荒挽きコショウの爽やかな香りと付け合わせの玉ネギと相まってこの上ない旨さを醸し出しながら、この世の者とは思えぬ至福の笑みを浮かべた男の口へと消えて行く。
「あぁ〜、この日を一生わすれまい...」

 ふと空を見ると、北斗七星がいつもと変わらない輝きを見せていた。
「知床でも、あの星座に向かってルアーを投げてたんだよナ〜。」
満点の星空の下、北海道最後の夜は静かに更けて行く。
    〜229q



8月18日 土 最終晴れ! 日高キャンプ場〜
 AM7:30,木陰を選んだのは大正解!木々が朝陽を遮り、テントの中は快適・爽快そのもの。
時折、上の木からサクランボみたいな緑色の硬い木の実が、ポトン・・・ポトン・・・と落ちてきて、車やテントが小気味イイ音を立てている。・・・「痛テッ!」
 例によって、公園のトイレまでお散歩。
雲一つ無く晴れ渡り、素晴らしい朝だ。気温21℃、サラリとした清々しい風を全身に浴びる。
 8Rでコーヒーを沸かし、ご飯を温めて朝食。いつもの。まだ飽きない。
さて最終日の今日は、鵡川のニジに挨拶してから帰ろうか?

 10:00,出発。気温23℃、超晴れ!今日の無事を祈り、エビスを片手に「空の神に、大地の神に、水の神に、そして、ささやかな恵みをオレに...」 行くゼ!
 鵡川上流の、支流との合流ポイント。雨が降ってないみたい。この前よりも水量が少ない。
足元には、エサ師が捨てて行ったゴミが落ちている。先客が居たのか?ミノーで探るが、全く反応無し。
少しづつ釣り下り、対岸の流れの中で初の一撃!ジャンプ!「ヤッタゼ!」一発でハズされた。スゴイ!
 水量が少ない為か、水温が高いのか、瀬からの反応が無い。流芯やプールに居る様だ。
今までに来た事ない所まで下って見ると、90度曲がったプールに出会う。岸からは柳が被さっていて、ラインをフリーにしてミノーを送り込むと、すかさずグッと引き込まれるが食い損ね。ここより良いポイントが連続する。一雨降った後ならば、素晴らしい釣りになるに違いない。

 もう少し、もう少しと釣り下ると、さもさもらしい大場所に出会う。ニジでもヒグマでも出て来いって感じ。
手前の岩から深くエグレ、流れは広いプールを貫いている。上流に立ってプール尻までキャスト!
 「潜れ!」ロッドを下げて、ミノーを沈ませる。
ゆっくり、ゆっくり、小刻みに、ポーズ、ゆっくり・・・「ゴッ!」 取ったか!?思う間も無くハズレ!
1投目から食って来た。このプールは広いので、まだまだイケルか?
 数投目に流れのド真ん中で、ズシリと重い引き込みが有った。
ロッドを立てるが早いかカーディナルのドラッグは突破されジジジィィィィっとラインが引き出される!
 「これは大物!」
底へ底へと持って行くが、アメマスの引きではない。これはニジのファイトだ。下流へと走られ、ドラッグは鳴き止まない。ある時、フッと軽くなり、「惜しい、バレた!」貴重な大物の時には、バーブレスが悔やまれる。
 今ので荒らされたのか、その後はウンともスンとも音沙汰ナシ。
引き上げようと思って一服つけていると、プールの中央から40オーバーのニジが舞い上がった。
「見事なジャンプだ!」 思う間も無く、上流に向かって2度目のジャンプ!
間髪入れずに3度目のジャンプは、オレの位置から2mも離れていなかった。エメラルドグリーンの背中に、光り輝く幅広いボディー。7色のニジのバンドもハッキリと見えた。40オーバーの素晴らしいレインボートラウト。
 今のティールウォークは何だったんだろう?もしかして、さっきのバラシたヤツか?
オレが諦めたのを悟って、あの美しい姿を見せびらかしに来たのか?
それとも、「2度と来るな!」の警告か? 大丈夫、2度と来てヤル!
 ここは一先ず先方様の顔を立てて、尻尾を巻いて移動する事にする。
クソエサ師が捨てて行った“がまかつ”を拾ってから車に。
「イイもの見たゼ!!」

 次の下流のポイントまで移動。瀬には目もくれずに、本流筋とプールを攻めマクル!空中バレ2匹、キャッチ&リリース2匹。今年はサイズがイイゾ!
 マイッタカ!と思われる大場所。プールの中央に大岩が沈んでいて、絶好のポイント。
「あの岩付近だろうナ。」岩の向うにキャスト。スロー、スロー、クイック、ポーズ。
偏光グラスを通して、岩の横をミノーが通りかかった時、暗い深淵からアタックして来る魚体が見えた。
と同時に「ズシンッ!」と来た。「取った、デカイゾ!」水中で首を振っているのが見える。
 流れと相まって重く弓なりのロッドの下流で水面を割って出た。見事なティールウォーク!
1回のジャンプ中に、首を4〜5回も振っている。「バレルナヨ!」
手前に走って来て2度目のジャンプ!リールを巻くのが間に合わない。
OK!まだ付いてる。流れの中を、上へ下へ、右へ左へとツッ走る!
足元に寄せると、40p弱の見事なボディー。「グッドフィッシュ!」
写真を撮ってからリリース。「サンキュー、バイバイ!」

 車に戻って一息つき、また下流に移動。  「チョエ〜〜〜ッ!!!」

 満喫して、またまた移動。もうPM2:00か。このエリアで終わりにしようか?
ジャンプ!キャッチ!バラシ!Good!ジャンプ!ジャンプ!バラシ!ジャンプ!Gooood!!!!!
どうも今日は、ニジがはしゃいで居る様だ。全てのプールから、30p前後のダイナマイトボディーが炸裂して来る。
 最後のプールで、30pオーバーの素晴らしい宝石が、宙で舞いながら一瞬の虹のアーチを作りあげる。
その綺麗な魚体を目に焼きつけ、そっとフックを外すと、飛沫を上げながら元の流れに帰って行った。
「ありがとう、サンキュー、バイバイ!」 3:00終了。
 空はまだ雲一つ無く澄み切り、空気は朝の様にピンと張り詰めている。
大いなる大地に乾杯!「また来させてください。」 ・・・しょうがね〜、帰るか...


 PM5:00,苫小牧でわずかながらのお土産を買い、旅の締めくくりは“山岡家”(予定通り!)。
「醤油ねぎチャーシュー大盛り、脂ッコク!!」  ・・・〜「ぬ゛ぁ〜、ンめぇ〜っ!」
店長様は居なかったけど、「また来年も来ます!」

 7:15,フェリー着。2等寝台分を精算してから乗船。
後はビール飲んで、新潟まで寝て待つのみ。
    〜223q


   今年も暑く、深く、広大で、最高に楽しかった。
   今回は愛苦しい?キタキツネにも逢えたし、エゾジカ親子にも出逢った。
   過去最大のスーパーレインボーを釣る事が出来た。

   夢の様な毎日だった。
   えっ、もしかして...これは夢?
   ・・・これから起こりうる現実を、行きのフェリーの2寝のベッドで見てるのかも???

   出来過ぎてる。これは本当にオレの夢なのか?
   現実には帰りたくない。このままで覚めないでほしい...

   でも、夢から覚めた時の現実が、本当に夢じゃないと言い切れるだろうか?

   誰かの名前を叫ばない限り、永久にこのままで居られるかも?

   実はまだ、8月11日のAM10:20なのかも知れない...。

                  8月18日 PM10:30  フェリーにて
                                  Let’s北海道2001” 完




    〜133q  走行距離2432q


@@@会計報告@@@
*フェリー:新潟〜苫小牧 (往復)   車5m未満 (18340円+2等寝台1780円)×2=40240円
*高速料金:六日町→黒崎 黒崎→小出 〜3750円
*車燃料:軽油225L 〜20000円
*キャンプ場&温泉:〜2650円
*お土産:〜17400円
*飲食費:アイスBOX用氷・調味料・香辛料・ビール・米・ラーメン屋・和商市場etc 〜21000円

  合計:〜105040円

@@@御協力各位様@@@ 
(日付順)
共立観光 六日町支店様、
gisuke様、wanios様、
きんしゃい亭様、
新日本海フェリー様、
知的な痴的な教養講座:開口健様、
山岡家 苫小牧店及び店長様、
べすぱる様
キリン ハートランド様、
鵡川のニジマス様、
SBホンコンやきそば様、
和商市場様、
和商市場内:八鱗様、
NTT釧路Com-ぷらっと様、
深名線 蕗の台駅 旅ノート様、
上田精肉店様、
十勝川のスーパーレインボー様、
うる星やつら ビューティフル・ドリーマー様、
コアップ・ガラナ様、


〜御協力、有難う御座いました。m(_ _)m

 TOP       BACK