Let's北海道 2006”
                         
         虹男の参上!!の巻






8月12日 土  はれ
 風速1m・気温21℃,今年はお盆に近い為か、この時間で高速道路はメチャ混みで、切れ目なく関東bフ車で埋め尽くされている。
 今回は早く出ようと5:00に目覚ましをセットしの、オレの方が早く起きの、勝ち誇ってまた二度寝してしまいの、結局は6:15に家を出て高速をカッ飛んでるってなワケで。今年は鉄男は連れて来ない。家でシッカリと勉強してなさいと言い放ち、父は思う存分に釣りをして来るのダ!
 してして、今年もRYOさんと北海道で待ち合わせ。もう7月の末から行ってるRYOさんは、道南から攻めて暴れマクリの毎日だとの事。(@_@)

 長岡市を過ぎると雲行きがアヤシクなり、燕三条あたりでドシャ降りとなる。
頭上と前方には黒雲が立ち込め、稲妻が光り、高速道路は滝の様な状況にもなっている。
ナカナカの歓迎ぢゃないか、県央さんよ!!(^^;

 黒雲を抜けて新潟市は晴れ♪
昨夜まさぼうー!さんからメールが来ての、市内のドコゾで朝ラーメンしようとの事。
8:10,桜木で待ち合わせし、朝っぱらから営業している【中華のカトウ】へと。
質素な小狭い店内は朝から人が溢れ、この時間にして順番待ちとわっ!
 『ラーメン!』

 透き通る様なコクのない豚骨スープには、煮干し・鰹がほのかに香り、18#平か?使ってるか分からない位の低カン水の麺で、たぶん強力粉多しな感じ。このツルツルとした掴みようの無い食感、どこかで食べた食感だゾ?? たぶんこの食感だと、麺帯にする前にコネマクッてグルテンを出しちゃったんだと思います。別にこの麺も悪くはないが、茹でた時にグルテン結合が行われる麺の方が「らしさ」があって好きですが。
とりあえず、さっぱり単調な味でスープは途中で飽きて残し、あわよくば朝からカチョイ朝粥は食べたくもなかったゾ、と。

 スープを残した祟りなのか、店の外は滝の様な爆雨となり、玄関からつま先一歩すらも出れない状態。
高速道路で振り切ったハズなのだが、まさかココで追い付かれてしまったとわっっっ!!
意を決して外に飛び出し、滝の中を駐車場まで泳ぐ事となる。


 9:10,フェリーターミナル着。
雲の切れ間から虹も見えるがまだ小雨であった。さっさと受付を済ませ、とっとと乗り込む。
まさぼうー!さんから頂いた餞別の冷たいビールと必殺@黒崎茶豆を休憩所に持ち込み、本を読みながらソファーに沈み込み、着くまでの待ち時間という名の浴槽に入って、ぷ〜く、ぷく♪

 いつの間にか出船し、海上は快晴ナリ。
開高先生の“最後の晩餐”を読み終え、ビール1Lと枝豆を1kgと数時間ほど消化。
このフェリーの待ち時間たるや、年内でも唯一無駄な時間かと感じています。北海道に着いたならば、釣りだキャンプ場だ飯の仕度だと忙しくも楽しい時間が流れるのだが、どうも密室のエレベーター内の沈黙な状況みたいな感じで、その場所に着く為の引換券みたいなモノ。宝クジを買っての、当選日を待つほどにもドキドキ感がない不思議な時間。この時間は止まっているのだが、フェリーは確実に動いている。オレを乗せて、多くのツアー者を乗せて。

 忘れた頃に昼飯はコンビニのオニギリ。
7−11の“鶏わさびマヨネ”をツマミに、ビール追加だプシュッとナ♪
このオニギリが妙に美味く、ご飯に混ぜた茎ワサビとゴマの香りが絶妙にヨロシィかと。中の具だけではなく、この食感とかのバランスたるや、久々にコンビニのオニギリで感激しちゃったワイナ。
 お昼寝して起きて、目覚ましビール!
今度は開高先生の“もっと広く”を読破。オレもこんな旅、してみたいよナ〜。。。
只今野良屋さんとしては、海外の辺境でも北海道でもイイから、釣りのスポンサー様を募集しとります♪


 〜143km





8月13日 日  はれ   フェリー〜   
 AM3:30,もう目が覚めてしまい、とりあえずは缶コーヒーだと。
もうすぐ小樽に着くので、ドコゾのキャンプ場で寝ているRYOさんに迷惑メールをしてみる。(笑)
・・・が、期待に反して直ぐに返信があり、もう釣りに行こうと起きていたみたいだ。

 4:30入港、5:00下船、晴れらしいゾ♪
また今年も来たぞ北海道、ガオォォォー!
さてと、今からの予定は、予定は、予定は特にナシ。(キッパリ)
たまにはルートを変えて、ニセコ方面にでも抜けてみようか。

 5:30,朝里峠の入り口に着くと、ナント今日までは夜間通行止めで、6:00までゲートが閉ざされて通れないとの事。なんのコレしき、あと30分だし、ゲート脇には朝里ダム展望台Pがあり、釣りの準備でもして待ちますゼ。ラインに保護スプレーを噴き、リーダーを新しく結び直し、シングルフックに付け替えながらオニギリをパクつき、そんなこんなしている内に6;00になってゲートが開き、いざ出発進行!!


 初めて通る峠を順調に越え、道沿いの小渓に入ってみる。
軽装でロッド片手に橋から見えた淵まで崖を下り、今年の北海道で初キャスト!
軽くミノーを潜らせると即アタリがあり、、、
う゛〜ん、どうでしょ、何度もアタリはあるのだが乗らず、小アメかオショロコマなのかと。
ウェーダーを履いて本気で下れば多少なりの釣果はあると思うが、ココで時間を潰す事もせずに移動。

 さっぽろ湖を抜け、山を越して喜茂別川の上流部。
小さな川の河原の状態からは、雨が降らずに減水傾向にあるのを感じる。この川に似合った小型のミノーを付けてキャスト。小さなプールで小型のイワナ?を釣ったのみで、やはり深追いせずに移動。

 いよいよガンガンに熱い陽刺の下、チョイと懐かしいので尻別川に入ってみる。
攻めど探れどアタリは無く、上流に行って支流にも入るが、魚もこの暑さでは避暑地に移動したみたいだ。
サッパリスッキリと反応が無く、ロッドとリールを馴染ませる程度な運動で終了。


 このルートを選んだのは、昔よく世話になった小猿川に行きたかったから。
その頃は渓流でフライのみで釣り、跳びマクリのレインボー達に心が釘付けになっていた。そのレインボートラウトの地位を決定付けて教えてくれたのがこの川で、北海道に来る目的の一つとしての小猿川でもあった。しかし北海道に通う程にオレの欲と浮気性はエスカレートし、もっと素晴らしい川へ、もっと素晴らしい魚へと開拓は進んで現在に至っている。

 山を越して川沿いを走り、橋に着いて川を見てみる。雨が久しく降ってないと言うが、この山の川には水はそれなりにあり、山々から染み出た水は渇れる事もなく、木々の隙間から零れ落ちる陽刺が水面でキラキラと弾け飛び、当時と同じ懐かしい景色が眼下に広がっていた。

 以前フライの時はこの橋から入渓して釣り上がり、上流の行く所まで行ったら脇から流れ込む小沢を伝って道路に出て帰るコースだった。今回はルアーで釣り下りたいので、道路が小沢を横切っている付近まで行って空き地に車を停め、その小沢を伝って本流へと入渓する。
 屈みながらクモの巣を掃いながら本流へと出ると、そうだ、ここだ、目の前にはこの小沢が合流する小さな程良いプールがあった。また素晴らしいレインボーに会えるだろうか?今まで釣ってはリリースして来た恩恵は続いているのだろうか?柔らかなロッドを軽くしならせ、2.5gのミノーを愛機ABU2500Cからソフトにキャスト。

 今年は渓流でもベイトタックルで釣ろうと、この北海道用にとロッドを新調して来た野良屋さん♪
このスミス製ウルトラライトのベイトロッドを人は≪完全釣り師用ロッド=完釣用≫と呼ぶ。
渓流魚のサイズに合わせ、使うルアーに合わせ、2gでもキャスト可能なしなやかさを持ち、それでいてスミスらしいハリもあり、ABU2500Cが大袈裟にも見えるのだが、オレには小型のベイトリールはコレしか持ってないので、今年はこのタックルで北海道でブイブイゆわせてみようかとも。

 小沢の流れ込みにミノーを通すと1トレースでアタリがあり、ガツンッ!と来たがフックアウト。。。
小物に場所を荒されてしまっては元も子もなく、Dコン55に付け替えて一気に本命の流芯をトレース。
狭いながらも流芯には餌を待ち構えて居たヤツが居て、ダウンからゴツンッ!と会心のヒット!!
2・3発舞い上がっては流れを横切り、足元に寄せたスーパーファイターの小猿レインボー。
居てくれた、また会えた、カッコ良かったゾ、バイバイ。



 釣り下りながら開けてきた渓流を探るがアタリがなく、まるで最初のポイントにしか魚が居ないような感じ?
以前はこんなではなかった、、、ポイントらしい所からは必ずや反応があり、小型ながら体色の濃いレインボー達が水面に虹のアーチを作ってくれたものだった。減水なのか、釣り人の多さなのか?遠距離恋愛の彼女に久々に会いに行ったら、浮気しているのが察せられてソッポ向かれてみたいな感じネ。(笑;)

 1エリア、また1エリアと釣り下る内に不安にもなり、セコイ小場所は無視して先にある大滝へと向う。
岩の裂け目が深淵を作り、当時ドライフライでは探り切れなかった秘蔵のポイントなんだ。
ココで願いを込めて一発必中、Dダイレクトに付け替えてプール尻へと上流からキャスト!
 岩盤沿いの流芯に潜行させ、重い流れの圧力を受けてロッドが弧を描く。キリキリと流れを掴みながらDダイレクトは暗く深い岩盤下でゴキゲンに小さなボディーを小刻みに振って踊り狂う。
そして緊張で張り詰めたラインがズシンッ!と流れとは異なる重さを捕らえた!!
蚊細いロッドが岩盤下に突き刺さったかと思うと、ねっとりと深く重い流れを割って華麗なるハイジャンプ!!
 『レインボォォォ〜♪』

 30弱のレインボーを相手に、このロッドはバッドからしなって動きに追従している。面白い、コレでもっと大物を掛けてしまったら怖いゾ、ナンテ事を余裕でファイト中に考えてしまう。しなやか過ぎる程のアクションのせいか、まるでルアーの動きを阻害せず、魚が掛かってティールウォークされようがバレる感じがしない。
 無事に足元に寄せ、スッとフックを外してリリース。
この体色の濃さ、ワイルドにして美しく、北海道の川に馴染んだ逞しいスーパープロポーション。
久々の小猿川に来て、こんなにもステキなワイルドダイナマイトに会えて感謝。


 下って橋から道路へと登り、クリアで熱い陽刺の中、焼けたアスファルトの上をベタベタと車に向う。
以前は釣り上がったから帰りは下り坂だったが、今回は釣り下ったので帰りは緩い上り坂。前もこうして満足そうにこの道を歩いたんだョナ〜。。。

 車で通行しても気付かないモノ。道路を歩いていると色んなモノが落ちていて、空缶・タバコの吸殻などは全国共通の名物だが、ビニールバックやらCDやらサンダルやら靴下まで落ちている。でもこの時期に一番数が多いのが昆虫類で、トンボ・チョウ・蛾・バッタ・様々な甲虫類が大小モロモロ、全ては交通事故死であろう。
 追突とか正面衝突とかの問題ではなく、道内の一般道平均速度は70km以上だと感じるし、ちんたら走るオレの車だって60km位が巡航速度なのだ。相対速度的にも即死なのである。車で走っていると時々衝突してしまい、フロントガラスに黄色い破片を残してコッパミヂン。大きめな甲虫に至ってはゴンッ!と音を立てて吹き飛んで逝く。くれぐれも交通事故には気を付けましょう。

 車に着き、助手席でHOTになっていたウーロン茶をガブ飲み。汗が一気に音を立てて噴出して来る。
ハラヘッタ、近くには町もコンビニもないし、ここまで来たら山を越して室蘭に出るとする。


 PM1:15,室蘭のラーメン屋【鉄平】に到着。
店に入ると
 「いらっしゃぃ・・・あっどうも!」
 『コンチワ、お久しぶりです。』
今回が2回目で1年振りなのだが、こんなにも目立たない平凡そうな男を憶えていてくれたみたいです。(^^ゞ

 『限定のチャーシューはまだありますか?』
 ソレを醤油で、そして味玉も追加♪
昨年よりも動物系が濃く感じ、味に円味も深味もあって醤油の角も無い、うまい。
自慢のチャーシューは肩ロースとバラ肉。バラはこの柔らかさでも旨いのだが、肩ロースは煮過ぎで柔らか過ぎ、せっかくの肩ロースの旨味が柔らかい食感のみのアピールとなって勿体無いナ。

 柔らかなとろけるチャーシュー♪が美味いのと勘違いしている消費者心理の反映もある。脂の多いバラならば可だが、箸で切り崩れる程に肩ロースを煮込んだチャーシューで美味いのに出合った事が無い。肉の繊維が滑る程に熱を入れてしまうと、赤身繊維間の旨味が溶け出して無くなってしまうのだ。
 例えばこの肩ロースなども、どんなに美味く味付けして2時間も煮込んだ柔らかチャーシューよりも、薄切りにしてサッと炭火で炙って塩コショウで食べる焼肉には旨味的に勝てないのだョ諸君!!

 ってなワケでも一滴残らず飲み干し、それでも尚もこの店は美味いsssっす、はい♪ v(^o^)
細切り茎ワカメはGOOD、メンマは弱いかナ、味玉も◎でした。
スープに馴染んだ醤油のコクと、天然素材の旨味を活かしたピュアな美味さ!
北海道に行ったら是非とも室蘭【鉄平】に行くベシ!!(キッパリ)

↓【鉄平】 SPF豚特製焼豚麺/醤油ラーメンの図


 さて、2:00に移動。
チンタラ走り、苫小牧を抜け、湿原を抜け山越え谷越え、道は果てしない北海道。

 5:00に日高に着いたが、まだ釣りが出来そうな時間なのでキャンプ場に行かずに鵡川へと。
う゛〜ん゛、RYOさんの情報通りで渇水、ヌルイ、第1ポイントでは全く反応ナシ!
即第2ポイントに移動するが、川に入ると雨がパラパラと、、、ダメダコリャ。
終いには夕立となり、今日の釣りは諦める事に。

 例え今雨が降っても、この川は明日もダメであろうかと。さて如何したものか?
明日は朝一で螺旋切川を攻めたい。そうだ、今夜は日高キャンプ場にせずに南富良野あたりで泊まろう。
 山に向って行く途中、この夕立で鵡川の上流部は大氾濫を起こしていた。
山では一足先に一気に雨が降ったのであろう大増水!!
あのまま川で釣りをしてたら、この鉄砲水に遭遇してしまったに違いない。(^^;
 この鵡川流域では近年の高速道路工事で山が削られ、雨が降ると即効で雨水は泥水となり、まるで漏斗で集めたように川へと流れ出して来る。確かこの川で思う様に魚が釣れなくなったのは、この高速道路工事が目立つようになってからだョナ〜。。。 (T_T)


 トマムの山波を走り抜けて落合。トマム川はクリアー、空知川も増水なしでクリアーだった。
まだ雨がポツポツ降ってるし、テント張るのも嫌だナ〜。。。
コンビニを見つけて夕食を買い、今夜はどこかの空き地で車中泊に決定。
道の駅で用を足し、水をジャグに満タンにする。この先のPでキマリだと。

 後部座席を片付け、オニギリ食べながらビールで夕食。
外の山肌には無数のホタルが居て、この小雨の中でも健気に光り続けていた。
ビール飲みつつこの日記を書いていると、いつしか雨は止み、星空が見えている。
ラジオの天気予報だと、明日は晴れそうだゾ。

 〜436km





8月14日 月  くもり?   南富良野P〜
 AM4:30,ケータイの目覚ましで起きる。とりあえずは缶コーヒーだと。
辺りはガスがかかり、夏とは思えない程に冷ンヤリとした空気に包まれている。
今朝もドコゾのキャンプ場で寝ているRYOさんに迷惑メールをしてみる。(笑)

起きましたか〜?
釣りに行きますゼ!!
 〜野良屋

オニギリをパクつきながら早くもエンジンスタート!

 あまり爽やかでもない朝霧の中、山越え谷越え原野を越え。
ヨシヨシ、螺旋切川は増水してないみたいだ。
いつもの場所に行き、今回は行ける所まで釣り下ってみる試み。
ベストの背中に飲み物も入れ、ネットよし、カメラよし、準備OK!
いつもはガンガン照りの日中に訪れていたのだが、今回は早朝から本気でヤル気満々なのです。

 橋の下でまずは第一投、、、二投三投、ってあれ、出ないゾ??
元気なニジがビッチリと張り付いているハズなのだが、全くアタリはナシ。
ちょいと増水程度であるが、どうも見ると土砂で埋まってポイントが変わってしまっている。たかだか数投なのに、既に高くもない出鼻をクジカレてしまいマシタ。
マジ顔になってこのエリアを探るのだが、ウンともスンとも反応ナシ、、、
 『ドォしたのダ螺旋切川!!』

 しばらく探り下り、対岸の流芯で軽いアタリがあり、でもフックせず。
同じポイントへDコン55に付け替え、ピンスポットに視線入力ON、着水ポイントロック、発射!
アップへキャストし、流れの中に沈ませながらフカセながらDコンをトレースすると、ズシンッ!と重い感触が伝わって来た。会心のファーストヒットは、期待以上な重さで流れの中でもがいている。
 『今だ、跳べ!・・・?』

 この流芯の中、ロッドを弓なりにしてABU2500Cのドラッグを滑らせている跳ばない魚は、更に重々しく流れを下り、プール尻に来てその姿を見せた。
 『OHooow…、大アメとわっ!』


 この螺旋切川にして、余裕のグリップオーバー40cmの悠々たる風格のアメマス。
なぜ、なぜにレインボーが出てくれなかったのだ。。。
この大物を釣ってバチアタリなのだが、正直、このアメよりも小型でもイイからレインボーの跳躍が見たかったってのがホンネだったりしている野良屋さんなのでした。

 更に釣り下ってアメ。やっと水面を割って小型のニジが出て来てくれたのだが、過去のこの川の事を考えると、イマイチ感動が少ないようナ。下の橋まで釣り下り、オソマツ程度にアメとニジを追加。
 どどどドォシタノダ螺旋切川!!
エ○師に根絶やしにされてしまったのか?だからニジが出ずに慰め程度にアメなのか??
この先に鉄男が好きそうな(笑)廃線跡?の架橋があった。あのポイントまで行ってみようと。

 流れは絞られ、深い淵になっていた。岩盤に当って直角に川は曲り、見るからに大物ポイント♪
ゴクリと生唾を飲み、必殺Dダイレクトを付けてキャスト!!

最終ポイント、神秘なる幽門


 がしかし、、、
 『投げども引けども釣れません。。。』 (-_-;)

 ここまで2時間釣り下り、今年コソはと早起きして来たのに意気消沈。
昨年までは、この川はニジのパラダイスだと感じていた。対比的にもニジ:アメは8:2位。なのにここまで釣り下って、こんなにも粘ってアメが5匹程度とは、、、

 魚が居ないのではなく、もしかしたら時間帯なのか?
アメ的には数が合いそうだし、昨年までとの違いは、まだ朝で更には曇ってるって事か?
昨日の小猿川はガンガンの日中だったし、今までの北海道でもド日中のギラギラの陽刺の下でニジを釣りマクッて来た。この虹鱒って魚は、もしや光合成で育ってるのかも?(笑)
 川の岩が変化した魚が岩魚であり、たぶん虹鱒=レインボートラウトって魚は、川に降り注ぐ直射日光から湧いて来る魚なのだと自分に言い聞かせ、太陽の光り無くして虹は出ないものだと推測する。


 トボトボと車へと帰り、さて困った、40アメを釣ったのに逆に煮え切らないで移動する。
また遥か山越え谷越え原野を越えて。落合の空知川が良さそうなのだが、こんなにも赤ら様な好ポイントでは、毎日釣り人にイヂメられてると思い、トマム川へと入渓する事に。

 木々に囲まれ、この川は毎年の様に冷たくてジンクリアー。
川に入るとすぐにもアメが釣れた。瀬でも食って来るし、プールにDダイレクトを沈めると良型のアメも出て来てくれた。まるで小石でも拾うかの如くに釣れ続け、いつしか質は量へと転じ、生きている川をコレデモカ!と満喫する。


 豊饒だ、素晴らしい、例年になくアメがはしゃいでいるみたいだ。
この自然からの恩恵を崩してはならない。壊す事は一瞬ででも出来るが、この豊かさを維持するのは釣り人のマナーとモラル、そして地域の自然への理解力にかかっていると思う。
聞いてるかコラッ! ここにガ○カツの針のパッケージを平気で捨てて行くクソ餌師のボケナスが!
釣り下りつつも、PETボトルと釣具ゴミを拾っている野良屋さんでした。
神様は見ているのダ、信ずる者は、きっと、報われると。


 木々に囲まれた昼をも暗い川から上がり10:30、空はいつしか超快晴であります。
今朝から履きっぱなしのウェーダーを脱ぎ、一息ついて移動する事に。
川を見る程度に、空知川の上流へとドライブしてみましょ。

 落合から入ると、道沿いに何軒かのラフティング屋があり、今日もこの川は黄色いゴムボートで賑わっているんだろうナ、と思う。暫らく上流に向うと川に出られる小道があり、川を見に行くとまぁ、とてもステキな流れじゃありませんか♪
ってなワケで、いそいそとまたウェーダーを履いたりします。

 とても澄んだ水で水量も豊富で、瀬あり淵ありエグレありと、ソソリマクリな川なのです。
入ってすぐに目の前の瀬からアメが釣れまして、コレはイケルゾと上流のプールまで上ってみます。ソリャもうアメの気配がプンプンで、プールの岩陰から30クラスのアメの追いがありました。DコンからDダイレクトにチェンジし、ヨシやっちゃるゾ、と視線入力していた時、背後からナニか気配がしたのです。。。
ふと振り返って上流を見ますれば、黄色い塊がドンブラコと流れて来ました。

 『おぉ〜、、、空知川名物のラフティングが来ちゃったとわっ!』 (^^;

 キャストするのを止め、オレはロッドを両手で持って高く上げ、笑顔を作ってラフティング御一行様達が目の前のプールを通り過ぎるのを見送ります。川は皆の宝です。川遊びを共有する者としては、笑顔で手を振りましょう。5艘目のボートが目の前のプールで定位し、丁寧にもこのボートが最後尾だと教えてくれました。

 『お気を付けて〜。。。』 (T_T)/~
さて、諦めて帰るかナ、と。

 がしかし!!!
もしもこのラフティングが通過した後に川に入ったならば、そんな事は知らずにルアーを投げ続けていたであろう野良屋さん。などと気持ちを切り替え、見なかった事にして釣り下ってみますれば、、、
 『あらら、直後にも関わらずアメが釣れちゃいマシタ♪』(爆)


 たった今、5艘の黄色いゴムボートがパドルでガシャバシャした流れなのに、、、
まだ追いもあります、ガンガンの瀬からもアメがヒットして来ます。
この川の魚って、ラフティングには慣れっ子になってるんですかネ〜?

 下ると、オレが入って来た場所にはルアーマンが居ました。
ほぉほぅ、北海道の釣リ人ってのは、先行者が居ようとも諦めずに釣りをしちゃうんですかネ?
オレならば車が停まってるだけでもそのエリアには入りませんが。

 見ると釣り上って来る様子で、御挨拶に近付くと、ドピンク色のミノーでアメを釣ったばかりでした。
そのルアーマンに軽く挨拶をし、今さっきラフティングが通過した事と、オレは上流の木の場所までしか行ってない事を告げ、もうチョイと下流まで行って見る事にします。

 入り口の緩い瀬を丹念に探っていると、先ほどのルアーマンがここまで来ての、
 「あのー、釣り雑誌に出ていた方ですか?ノースアングラーとか、」

 『えっ、オレですか、自然倶楽部とかトラウティストには出ましたが、』(^^ゞ

 「いや、渓流でベイトリールを使う人を雑誌以外で初めて見まして。」
そうなのですか、渓流をベイトで攻める変人がまだ他にも居たと思うと嬉しい限りであります。

 気を取り直し、釣り下ります。
ガンガンの瀬にDダイレクトを投入し、ロッドを立てて軌道を操作するとアメ。
開けた緩い流れにDコンを乗せてはアメ、更にはニジも出て来て跳びマクリなのです。
 どうなってるんでしょ、この川は。ラフティングが通過した後でも魚は釣れ、ならばスレてないのかと思うとそうでもナシで、そのポイントで釣った後にはパタリと食いが止みます。また10mも移動すると釣れマクリ。あの黄色いゴムボートは日常茶飯事で、自然の一部だと思って敵だとの認識ナシで警戒をしていないみたいですナ。


 車に戻り、まだ川に入れる道はないかと探し、再度川に入ってみます。
ここの目の前はフラットな岩盤を流れる瀬で、上流には見るからに大場所のプールがありました。
ドキドキワクワクしながら釣り上がり、プール尻からDコンで探って一発目からアメがヒット!
深場をDダイレクトをトレースしてアメがヒット!!
プール流れ込みに流してみるとニジが舞い踊りと♪
ここだってラフティングが通過したばかりでしょ、空知川の豊饒さ、オソルベシ!!
北海道なんだ、これこそが北海道の釣りなんだ、あまりにもスゴスギ!!!

 PM2:00に移動。
もうアメはいいや、マトモにニジを釣りたいゾ、と。(←バチアタリ)


 さてドコに行きましょか?・・・たぶん今夜は糠平へと。
峠を越し、佐幌川を眺め、うんうんニジの川だ。
十勝川を通過し、そうそう、あの場所で58スーパーレインボーを釣ったんだよナ。
然別川、相変わらずのボサの川だ。
 そしてRYOさんがオススメの音更川に着。
だがしかし、どこに行っても釣り人の姿があり、ボサも多くて気乗りがしない。
40号橋から川に入り、ヌルイっす!(キッパリ)
橋の上下を探ってOUT。
その2つ上の橋まで移動してみるが、足跡からまるでプレッシャーが高そうでXです。


 6:30,糠平キャンプ場着。
今年もダムの水が少なそうなので、めがね橋が見れるんだろうナ、と。(←でも興味ナシ)
第二に行き、テントを張るが早いかビールで乾杯♪
では、温泉に行く仕度をして、【どんぐり】に行って夕食とします。

 てくてくと歩いて行くと店の入り口には≪本日終了≫、ってまだ7:30ぢゃん!
挨拶でもと玄関を覗くと、
 「あっどうも、今年は一人ですか、いいですよどうぞ。」と嬉しい御言葉。

 まだお客様が2組ほど居ました。『ありがとうございます。』
店は通し営業にして夜は7時までになったんだそうナ。
 『醤油ネギチャーシューの大盛りで♪』

 今年のはと、今までよりもスープとタレが上手く調和され、とてもバランスが良く思いました。特に鶏の旨味が今までよりも出ていて、醤油の力強さとの相乗効果で美味いゾ、と。
 「今年の味はいかがでしたか?」

 ・・・スープ飲みながらこんな事を店主に話してみたら、やはり地鶏を代えてみたのだとか。
どの店でもそうですが、店主が意図した事をズバリ当てると、とても嬉しそうな顔をしてくれます。味なんて目で見ても分からないものなので、店主の思いを感じて表現する事で、ラーメン好きとしましては店主とのよりコミュミケーションが図れるものなのです。
 『ごちそうさまでした、また来年も来ます。』


 無事に夕飯も食べたし、今年も≪中村屋≫の温泉に行きます。
大浴場へと行くと、アレ?今までとは男女が逆ぢゃん。
初めて入るコチラの浴場はタイル貼りではなくて木の浴槽なのでした。
更には気のせいでもなく、平気で入れる位に適温になってました。
そうなのか、コチラは木の浴槽でヌルイのか?
そう、あの虫刺されのカユさも消し飛ぶ熱さ、タイル貼りのカポーンコーンが恋しく思いました。(笑)


 キャンプ場へと帰り、ピーク1に火を灯してビールをプシュッとナ♪
釣った、今日は飽きる程にアメを釣った。アタリがあっただけでも100以上がアタックして来たか?
フックサイズを落として(例えば買ったまんま)釣れば、もっと多くキャッチ出来ただろう。でもDコン55でも大きなシングル#6に付け替えてバーブレスで挑む。万が一にも掛かった大物をバラさなければ十分なんだ。
でもネ、大物なんてさ、そんなに絵に描いたみたいには釣れないんだョ。
ニジだ、レインボーなのダ、明日はニジの川で狂喜するんだゾ、と。

 〜210km






8月15日 火  はれ   糠平キャンプ場〜   
 AM5:30に自然と目が覚め、、、やっぱもうチョイ寝るzzz。
7:00、心なしか空は曇っているが、満点の快適な朝を迎える。
では糠平キャンプ場でのオヤクソク、湖岸のトイレまでおさんぽ♪

 8Rでコーヒーを沸かし、セーコーマートのアンパンとジャムパンで朝食。
白樺林の甘い空気を吸い込みつつ、この日記を書きながら北海道らしい時間の流れに身を委ねる。
このひと時、急いで釣りに行くよりも、始発が来るゾと電車を見に行くよりも、貴重な年に1回の北海道の目的且つ充実感が今ここに集約されているのだ。そしてまたボケっとして空を見上げ、コーヒーをチビチビと。

 10:00に行動開始。
峠を下り、また懲りずにも音更川にチャレンジしてみます。昨日の音更川では1匹も釣れなかったのが悔しいので、もう少し上流のマイナーな場所に入ってみるとする。過去にも何回かは音更川で釣りをしたのだが、どうにもこの川とは相性が合わず、粘るだけ時間の無駄だとも思っている屈辱の川なのでした。
 細くヤバそうな小道を4WDに入れてノロノロと走り、たぶん川に続いているだろうってな憶測だけで薮の道を川の方向に分け入る。カーナビでは川は目の前か、ちょうど車止めがあったのでここから入ろうかと。道の状況やクモの巣から見ても、今朝この場所に来たのはオレ一人のみ。さて、プレッシャーなどとはもう言訳はできないゾ〜?

↓良く見る看板、釣り人には効果がない気もします。(^^;



 草ぼうぼうの岸を分けて適当に上流まで行き、ヒ○マでもニジでも出て来ヤガレとルアーをキャスト。
場所によってはアタリがあるのだが乗らず、その後は二度追いナシにして沈黙しちゃうポイント。まるで見張りが警戒警報を発令し、たった一度のアタリのみで戒厳令が布かれてるみたいだ。

 そうかい、どのポイントも一発勝負かぃ、ヨシ分かった。
Dコンで底叩きは止めて、小型のパニッシュFヤマメカラーにチェンジする。上流対岸ギリチョンに落とし、軽くテンションをかけながら流れをナチュラルに流す。ロッドは頭上高く伸ばし、ラインをなるべく流れに乗せない様にしてルアーをコントロール。
 沈んでいる岩の巻き返しに送り込んだ時、目で追ってる先のラインの異種なる動きを感じてビシッ!と。
流れから踊り出た小型のニジがジャンプを繰り返す。
ふ〜ぅ、苦労したゼ。


 どうにかこうにか3匹程の小ニジを仕留め、やはりこの川とは相性が悪いゾとつぶやく。
なんでしょネ、ロケーションとか空気とか、当然ながら実績とか、自分との相性ってのが川にはあるのです。好きな場所には毎回行っても飽きないで楽しいし、イマイチな場所には滅多に行かないし実績もなく。そんなモンなのです、釣りってのはネ。


 移動して12:30,美利別川にて休憩。
慰め程度にニジとウグイでヤメ。渇水していてヌルイっす!

 RYOさんからメールが入る。

どこまで来ましたか?
丸瀬布で待ってます。
こちらは雨です、早く来て
下さい。ヒマ過ぎて酔い
ツブレそうです。(笑)
 〜RYO

まだ足寄で道草食ってます。
コチラは快晴ですゼ!!
利別に行ってから向おうか
どうしましょうかネ、と。
 〜野良屋


 PM2:00,快晴。利別川の愛冠あたりで川へと。
橋の前後は開けた単調な流れになっていて、こんな場所には大物は居ないゾ、と。
とりあえず上の岸際の本流筋を流してみるが、ニジッ子のアタリすらもナシ。

 橋の下流、川幅いっぱいの流れが収束し、ガンガンの瀬になっている。
重いDコンを流れにブチ込み、バランスを崩させない事だけに集中して扇形に探って行く。
瀬の中からガツンッ!と会心のアタリがあり、綺麗なヤマメだとばかり思っていたが、デジカメを構えて左手に持った瞬間になってニジだと気が付いた。それはプラチナのレースを纏いし美形のレインボー。
野良屋さん、まだ釣りですか?
ドシャ降りになってきました。
テントから一歩も出れません。
早く来て下さい。
もう酒が絶えそうです!
 〜RYO

コチラは快晴ナリ♪
やっと1匹釣りました。
もうイッパツ出してから
考えときます。
 〜野良屋

 RYOさんの退屈を他所に、野良屋さんとしてはまだまだ釣り下ってみます。
天気は快晴にして、この陽刺がニジを湧かせるって手ハズなのであ〜る!!(←希望的観測)

 下流に向うが平瀬が続き、この先の大曲まで行って引き返そうかとも思う。
しかし下る程に大場所が出現し、据え膳食わぬは武士の恥とばかりに気合いを入れます。
強い流れの中にDダイレクトをキャスト!!こんなにも強い流れだからこそこのディープを使うのダ。ヨットが風上にも進むように、このルアーのリップが一旦流れを捉えたならば、スプーンには出来ない、シンキングミノーですら真似の出来ない異次元の流破技を魅せてくれるのダ。
 流れの向きに合わせて微妙にアイを調整し、ロッドを立ててテンションを与える。深く潜らせるのがディープではナイ。流れを捉えて離さないからこそのDダイレクト。こんな瀬の中でこんなにも遊泳時間を稼げるルアーは、このDダイレクト以外のナニモノでもナイ!(キッパリ)

 と、まるで流芯で定位したようなDダイレクトからショックが伝わる!
しなったロッドの先からニジがジャンプし、一撃にしてルアーを吹き飛ばしてくれた!!
スゴイゾDダイレクト!この流れを攻められるのはDダイレクトのみ、エサ釣りよりもスゴイ♪
こんなにも大場所の連続ならば、8ftロッドを使えば楽だったかとチト後悔。

 瀬尻の緩い流れ出しにDコンを乗せるとニジがヒット!
余裕カマシてカメラを構えたら、足元でナチュラルリリース。(^^;
キテます、出始めちゃって来マクリな気配であります。


 見るからに小石だけだが深い流れのある大プール。上の小物は釣りたくない。
その流芯は手前でカケアガリになっていて、半分から向こうが深いエグレを形成している。大物が着いているとすれば、この流芯のカケアガリだろう。Dコンだと沈む前に流されてしまうし、向うの巻き返しの中では動きが取れない。DDパニッシュだと目立つし動きもいいのだが、この流れだと深くは潜ってくれない。
 ココはひとつ小さくて目立たないが、エサ釣りよりもスゴイDダイレクトを向うにキャストし、緩い流れの中で沈め、流芯のカケアガリをトレースする作戦にする。

 岸から離れ、流れの向うの広い巻き返しにキャスト!
十分に潜らせ、正面を通り過ぎたらロッドを上流に倒してテンションを与える。
 このロッドで操るDダイレクトは不思議な感触なんだ。魚野川でも春からスミス10ftや8ftでDダイレクトを引いていたが、強い流れだとどうも無理に流れを切ってしまい、思う様にはルアーの操作が出来なかった気がする。がしかし、このロッドでは過負荷のDダイレクトを引くと、まるで流れを読み(読め)マクリ、入り組んだ流れの状況が手に取るように感じられるんだ。岸からでは見えない中層の重い流れも、川底の岩の小さな巻き返しでも、Dダイレクトが伝えてくるピンチサインをロッドはこの手まで忠実に伝達してくれる。

 流芯にさしかかる、
 Dダイレクトが流れを掴んだ鼓動が聞える、
 深場からカケアガリを伝って流れを這うのを感じる、、
 ドンンッ!!と引き込まれる!!!
  『キターーー、大ヒット!!』

 このキャシャな渓流ロッドはバットからフルパラボリックに弧を描き、悲しいかなABU2500Cのドラッグよりもロッドが負けてしまっている。柳の枝がしなる程に曲り切ってドラッグが悲鳴をあげ、この大きなプールの中へとラインが引き出されて行く。

余裕で上流に向って1stジャンプ!
 『おぉ〜デカイ♪ 頼むからバレるなョ〜!』

 ベナベナに曲ったロッドは、まるで魚の動きに瞬時に追従している。柔らかいのに妙なハリがあり、流石はスミスってな感じだと今さら関心したりもする。このしなやかさにを信用し、ドラッグを少々強めにセット。それでも滑るスプールに親指でブレーキをかけては手前にと寄せる。
 流芯をクリアし、足元の流れでの攻防戦。
やっと目の前まで来たと思ったら、一気にまたドラッグを突破して流芯を横切りの大きくジャンプ!!!
 『うっひょぉぉぉ〜っ、レインボォォォ〜ッ♪』

 流れに乗せて開けた下流まで行ってネットINNNNNN!
シングルフックが刺さった口の1ヶ所以外には鰭にも傷一つなく、素晴らしく逞しいレインボー。
このロッドでこのサイズが釣れるとは、もう頬が緩みっぱなし。
写真を撮ったら元気な内にリリース、サンキュー!


 はぁ、感無量の野良屋さんであります♪ (^^v
さてと、これで勝ち逃げとしようか、どうしようか???

RYOさんんん!
ついに出ました、
40クラスのレインボーです♪
うひょひょひょひょ♪
 〜野良屋

まだ釣りしてたんですかー?
こちらは雨が激しさを増してます。
うらやましい〜。
 〜RYO

 とかメールを打ちつつ流れを下り、プール尻でまたまたニジを2匹追加!!
瀬尻から岸のボサ側に落ち込みの、幅は狭いが天下無敵の鉄板大場所♪
今の立ち位置は上流の張り出しにして、ここはDダイレクトの仕事場ではない。そうだ、相手が大物ならばDコン63でも十分だろう。下流対岸にキャスト!

 すぐさまロッドを寝せて流れに突き出す。
 この流れの中、Dコン63はブルブルと振るえながらゆっくりと流れに扇を描く。
 たぶん岩があるであろうか、流れがやや持ち上がってるド流芯、、、
 下流に一気にガツンンッ!!とロッドが引ったくられる!!
  『チョ〜〜〜ヒット♪』

 流れを割いてレインボーが舞い出る。
シルバーボディーが川面に虹のアーチを作り上げる!
スゴイよ、この魚って、息も吐かさず2ndジャーンプ!!


 そうか、ここからRYOさんの待つ丸瀬布までは、絶対に100q以上はあるョナ〜。。。(^^;
雨のキャンプ場は逃げないし、今の目の前の次ぎなるポイントがオレに来いよと手招きしてるのダ。
スゴイ、スゴスギル大場所を目の前にして、今夜の宿よりもスーパーレインボーで頭がいっぱいなんだ。

 どうする、中洲からY字に流れが集まった大プール♪
もしも両脇の流れで先に魚を掛けてしまったら、この本場所も御終いだろナ。
ならばこの大場所で狙うは1点のみ、あのY字の合わせ目の中なんだ。
流れの下は意外にも緩い流れになってるハズ。こんなにも上流からだとDダイレクトの操作は辛いし、この程度の流速ならばロッドを立ててのDコン63がGOODだろうと。

 下流に向かい、Y字合わせを越してキャスト!ロッドを立てつつ流れを読み、アクションを加え、定位させ、ゆっくりと、またゆっくりと、クイック・クイック・ポーズ。やはりY字合わせ目は川底で複雑な流れを形成し、長く延びたPEからリアルタイムで状況が伝わって来る。

 このエリアには誰も居ない。赤くなってくる空気を感じ、川のざわめきのみに囲まれている空間。ただ自分は川の中州に立ち、ラインが向う水面を見ているのに、頭に映ってる流れに揉まれたルアーのイメージに支配され、どこまでが妄想なのか、どこからが現実なのか、今、北海道の川で喝采を目の前にして夢を見ている。

 ・・・現実とは、ココからなのダッ!
リールの動きが止まる、
ロッドの小刻みな震えが止まる、
流れに押されたラインが止まる、
下流のY字の流れの下から衝撃にも似た圧力で押さえ込まれる、
 『とった〜!フィッシュオン!!』

 ロッドはリールのシートからフルパラボリックを描き、ABU2500Cはハンドルを回す手を無視して切れ目なくドラッグ音を奏で始める。大場所のフル本流の完全なる下流掛けの状況下、トンデモナイ重さの引きに不安と興奮の区別が付かなくなる。
 ○ケか?サ○ラか??大アメか???まだ跳ばないがレインボーであって欲しい。
ドラッグを引き出したままY字から抜けて左の緩い流れに入った。右手の指は瞬時にドラッグを強め、下流から徐々には上流へと寄せて来る。
 20m先、10時の方向、やっと安心?できる距離にまで来たか?水深のある重い流れから引き離したが、まだ少なからず自分よりも下流で、またY字の流れを貫いてここまで寄せねばならない。
向きを変えてY字の中に突っ込んで1stジャンプ!2ndジャンプ!!
右の細い流れにドラッグを鳴かせて3rdジャンプ!!

 『おっおっ、レインボォォォォォォォッ〜!!!』


 勇者は、この足元の浅場に横たわっている。
このファイトを味わいたくて、あのティールウォークが見たくて、、、
対岸の岩盤はさっきよりも紅を注したようだ。
水面を騒がした快音も鳴り止んだ今、またいつもの川面の永遠の音をこだましている。
ネットを使わず、足元で写真を撮り、スッとフックを外して川に帰す。

 『ありがと〜っ!』
悠久の時の中で、川の音と鳥の鳴き声しか響いてなかった岩盤に、新たな響きがこだましていった。


 川に大きく一礼し、Y字の流れに投げkissして後にする。

RYOさん!
大物3匹目も出ちゃいマシタ♪
スゴイっす、ここわっ!
もう止めて向いますゆえ、
キャンプ場で祝杯を挙げましょう!
 〜野良屋


 意気揚々として車へと辿り着く。
リアハッチを上げ、イスを出して一休み。
 『ふぅ〜、良くやった。』

野良屋さん、
そこからだと120kmはありますよ。
まだ雨が止みませーん。
 (T_T)
 〜RYO


だいぢょ〜ぶ、
アメはもうイイ、
ニジ男が参上すますから
オレが行けば晴れますって♪
飯炊いて待っててチョ。
 〜野良屋


 空はまだ快晴、徐々に陽は傾いて行く。
いつの頃か古い記憶、前にこの愛冠付近に来た時には、フライでこの橋から釣り上ったかと思った。
脳裏に留まる程の激的なドラマもなく、今までも見過ごしていた川だった。だが今回はと、ポンと来た旅人に歓喜を与えてくれ、この開けた谷に喝采を響かせてくれた川。魚は川なりの大きさであり、50・60も安易に居るだろうと推測が出来る。
 いやいや、そんな滅相もナイ。いつもならば30クラスが1匹出ても大満足なのだから、今回は出来が良過ぎる程に大ラッキーだと思って感謝せねばなるまい。ドコゾの川のアメの様に、サイズ度返しでも爆釣に次ぐ爆釣ってのも内地に居ては味わえない快感でもあるのだが、今回のこの川みたいに、あのサイズが絵に描いたように釣れるのも、何かの運が全て共振し、想像内の象限がこの現実空間に転移したものだと思いたい。
 釣りなんてのはさ、いつだって偶然の産物なんだョ。この日記に書かれるシュチュエーションも事が起こった事後承諾であって、来年の事だって明日の事だって1分先の事だって願望程度にしか予告(笑)は出来ないんだ。全てはこの現実のみであり、変えられない事実を大いに喜びたい。

 徐々に夕陽で染まる中、RYOさんの待つ丸瀬布キャンプ場へと向かい車は走り出す。
カーナビにルートガイドさせると、ここから実に135kmとわっ! (^^;
橋の上から下流を眺め、また会いに来るゾと、胸に誓う。

      『Tカップ萌えぇぇぇ〜♪』





 あと120km、あと100q、80km、、、
雲行きが悪くなり、オホーツクエリアに入ると山ではガスがかかって雨となる。

また雨が強くなって来ました。
ご飯がお粥になりそうです〜。
外で焼肉は無理みたいです。
 (T_T)
 〜RYO

まぁ待ちたまぃ、
テコでも晴れさせる!!
(キッパリ)
 〜野良屋

 あと60q、あと50km、40km、、、
丸瀬布に近付くと徐々に雨足が弱まり、30km、20km、
そして陽の落ちたキャンプ場に着くと、ケロっと雨が止んでいました。

 『RYOさん、お待たせ、
  ニジ男の参上ですゼ!!』



 〜210km






8月16日 水  曇り   丸瀬布キャンプ場〜   
 AM5:00,今朝はRYOさんと釣りに行くべく早起きなのです。
昨夜は焼肉をつつきながら、1年振りの再会を祝し、アメだニジだヒ○マだ自縛霊だと遅くまで飲んでいた。
どうも道内の天気は下り坂らしく、明日からはマジで逃げ場の無い悪天候になるらしぃ。。。
まぁネ、天気が悪くなるのはしょうがないって事でひとつ。

 キャンプ場から上流に行くと、まさかこんな所に小さな集落がありました。
橋の空き地に車を停めて準備し、この冷ンやりとした渓流を釣り下ってみましょうか。
モゾモゾとウェーダーを履いていると1台の車が止まり、オバチャンが花が入った箱を持って川に行きました。どう見ても釣り人では無さそうなので安心です。見るとオバチャン、川に花を流しておりました。

 『RYOさん、、、あのオバチャンはネ、この川で娘さんを亡くしたんだって。
    そして、まだその娘さんは見つかってないんだってさ。』


 「やめてくださいよ野良屋さん!
    今おはようって挨拶しただけでしょうが!」
(-_-;)

 『いや、そんな気がしたダケですがネ。』(^^;


 渓相的にはニジの川か? ソコソコ良さそうな川なのだが、キャンプ場から近い為かプレッシャーが高そうで、サッパリ反応ナシ。2人で左右の岸に分かれて念入りに探るが、明確なアタリは1回のみ。その内に下流からフライマンが上がって来たので、ナンも釣れないままにココまでで終了する。


 キャンプ場に帰り、スベアでコーヒーをわかして朝食。
パンとバナナを食べつつ、今日は2人でどこに行こうかと作戦会議をば。

 10:00,雨宮21号の出発と同時に行動開始。
 『鉄男ぉ〜喜べ、今年も写真だけは撮ってあげたゾ〜。』(笑)

 まずは町に下り、湧別川の本流を攻めてみます。
丸瀬布川の合流点も良さそうなポイントなのだが、ミノーにもスプーンにも反応ナシ。
この川もオレと相性が悪いのかもナ〜。。。

 あやしい雲行きの中、ずっと移動して初めて入る無加川へと。
ナカナカの渓相なのだが、水はヌルく、投げども引けどもアタリすらナシ。
雲の流れは早く、まるで台風の様な空色となり、生温かい風も吹いてヤバイゾコリャ。
 確かに天気予報でも、今日から全道において天気は下り坂なのだ。
早々に大アメとBigレインボーの洗礼を受け、とりあえずは満足なのであるが、目の前の知床に行きたくて天気予報だの低気圧だのは眼中にナイのである!!


 この川も諦めて移動し、北見の【山岡家】で昼食。
醤油のネギラーメンの中盛り、味薄めで油多め。
 『う゛〜う゛〜、カチョうま♪』

 北見で釣具店に行き、RYOさんはネットを買う。
がしかし、とっても天気が悪くなり、もう釣りとかの場合ぢゃなくなって来てます〜。
今夜は、今夜は、ここから近い場所で早々に飲もうとも。おけと湖のキャンプ場に行く事にします。

 途中で常呂川に寄り、風も弱まったみたいなので釣りでもと。
橋の下から入り、、、ヌルイっす!

 オレ達の近くへと車が来て、オジサンが出て来の、川に箱に入れた花などを流しております。
 『RYOさん、あのオジサンはネ、この川で娘さんを亡くし、、、』

 「野良屋さん!今何の会話もしなかったでしょうが!!」(-_-;)

 そうなのですか、北海道ではお盆に花などを入れた箱を川に流す風習があるみたいです。
ヒ○マと心霊ネタの苦手なRYOさんとしては、一人で川に入って釣りの最中、流れて来た花などを見ると釣りどころではないそうナ。今ならば盆の風習で済むが、オレとしても川で花束などを見てしまうとチョットネ〜。


 早々に川から上がり、おけと湖を目指して走ります。
途中、、、向う先の山は厚い黒雲に覆われ、もう絶対に雨が降ってるでしょう。 (-_-;)
バックミラーに映った海側はまだ青空が広がっています。RYOさん、引き返しましょう!!
Uターンし、とりあえず津別のキャンプ場に行って見る事にします。


 PM5:00,不思議と晴れた津別キャンプ場に到着。
このキャンプ場には数年前にも来た事ありましたネ〜。蚊とホタルが乱舞するキャンプ場なのでした。
意外にもキャンパーは少なく、ファミリーテントが数張りあるのみ。

 整地されてキレイな芝生にテントを張り、まずはビールで乾杯だと♪
陽が暮れると星空が広がり、蚊とホタルに囲まれ、川の音が聞える素晴らしい環境。
長い尾っぽのキタキツネのシルエットが、静かなサイト内をトコトコと駆けて行く。
おけと湖に行ってたら今頃は大雨でフテ寝してたかも?
 『RYOさん、明日も晴れます、知床に行きましょう♪』


 〜149km






8月17日 木  晴れ!   津別キャンプ場〜   
 AM5:00,ケータイの目覚ましで起きる。
まだ辺りはガスってるが、天気は良さそうだゾ。
軽く缶コーヒーとバナナで朝食を済ませ、コインシャワーを浴びて6:30には出発。

 R334、広大な牧草地を貫き、小さな丘陵地を道は知床へと続いている。
時折り小さなクリークを道路は跨ぎ、今年コソはこのクリークを攻めてみようかとも。
牧草地から染み出た水は、ゆるゆると流れ集まって小さな川となり、遮断されたダムもなしにオホーツク海へと注ぎ行く。穴場なのダ、たぶんネ。

 RYOさんに合図し、名も知らぬ小さな川へと下りてみると、うわ、草ぼうぼうであります。
川幅は2m位で、茂み下のエグレから大アメを引っ張り出すってな作戦。ウエーダーは履かずに遊び程度のつもりなのだが、草丈があり、う〜ん、10ftロッドで流してみましょうか。(^^;
 場所の選択が悪かったか、思う程にはポイントが無かったのです。
こんな川で10ftとABU5000Cとは、通行人に見られたら恥かしいョナ〜。。。
有望なクリークは沢山ありました。次回コソは必ずヤ!!(←魚の影すらも見れなかった人)


 8:30,オチカバケに着くが、この時間にして釣り人が居ないゾ〜??
ぢゃ、安パイでと思い、幌別川へと向う。
9:00に到着したが、駐車場がガラアキでとっても不安。。。(^^;
オイオイ、おかしくないかぃ?この大人気の幌別河口にして、こんなにも空いてるのは初めてだゾ?
まさかヒ○マの大襲撃でもあって立ち入り禁止なのか?(爆)

 ラジオでの天気予報では、道内で晴れてるのはこの一帯だけらしぃ。
オホーツクです、知床なのです、ピンクサーモンが待ってます、釣りに行こう♪
がしかし!!
不思議な事に紅イカ師が1人も居ず、数人のルアーマンとフライマンのみの釣り場。(←メッチャ不安)

 特等席に入り、昨年のヒットルアーであるアンサー20gをフルキャスト!
とてもクリアでキラキラと耀く海面へとルアーを放ち、既に暑くなって来た陽刺の中、ABU5000Cに念を込めて魅惑のダンスを披露する。穏やかな海面は不確定だが規則的に揺れ動き、1年振りの期待と不安が波間に吸い込まれて行く。

 投げども引けども、オレもRYOさんにもアタリはナシ。。。
時が過ぎるのも忘れて投げ続け、この爆晴れのオホーツク、、、
顔と肩と腕がヒリヒリと焼けただけで満足の名の元に終了する事に。
もしもオレ1人ならば今夜もここに居座るのであろうが。

↓快晴、独占、当たりナシの図



 ハラヘッタ。根北峠を抜けるとキリ雨となり、更に進むと完全に雨となる。
中標津の【丸福】にて遅い昼食休憩をば。
雨で釣りにもいけず、今夜から明日も大荒れになるらしぃ。。。
オレはもう諦めの帰り仕度に入り、RYOさんと今日は走れる所まで南下しようと。

 雨の釧路を迂回し、市街地から大回りしてR274で雨の丘陵地帯をひた走る。
この道、快晴な時にまた走ってみたい。広大な釧路平野を見渡し、阿寒の山々から染み出た水は小さな川を作っては牧草地を原野をと流れ出る。目印も無しで荒涼とした景色が続き、青空の下ならば奇声の一つも叫んでいたであろう。


 雨の夕刻PM7:00,白糠の【やはた】にて早い夕食休憩をば。
 『しょうゆチャーシューワンタン♪』

 RYOさんとはここでお別れ。
オレは、オレは、、このまま帯広辺りまで走ってみようかとも。
この雨でヤル気も失せ、嵐が止んで晴れるであろう最終日をどこで過ごそうかとだけ考えている。
明日は、明日は、、ラーメン屋巡りでもしていましょうか♪


 雨の中を行くあても無く走り、いよいよ希望も無く走るのに飽きて浦幌のパーキングで車中泊。
ラジオからの明日も雨だと言うしつこいアナウンスを聞くともなしに聞きつつビール。
さて、雨ガッパ着てまでも釣りか、はたまたパンチョとか言う豚丼屋か?

 〜396km





8月18日 金  雨・・・   浦幌P〜   
 AM3:00〜5:00〜7:00〜9:00、キリ雨が少しは止んだか?
浦幌川を見に行くが全然水が少なく、川がオレを呼んでいる気配も見えず、また雨がシトシトと。今日は雨だし、余程の好ポイントでもない限りは釣りに行く気分でもなく、ラーメンガイド本でも見ながら食べ歩きでもしていようかとも。とりあえずはこの帯広平野を跨げば天気が変わるかと思い、気分転換に日高山脈方面へと。

 札内川、中流域は水が少なく濁りはなく、軽く雨で増水程度。土手沿いに出て上流に行き、行き止まり。雨足はキリ雨程度。さてどうしましょ、たまにはレインウェア着てまでも釣りをしてみるか野良屋さん?
 ゴアガッパを着込み、フィッシャーマンズトレイルを辿って川へと出る。
水量はまぁまぁ、水温もほどほど。流れに小型のミノーを流すとすぐにニジがアタックして来た。
ナルホドネ、噂通りのニジの川らしいですナ。
がしかし、その後にキリ雨は本降りとなり、ものの100mほど探ってニジ数匹で退散。

 隣りの戸蔦別川に行って見る。
移動の途中で雨は上がり、増水でもなければ本気で釣りに入ろうかと考え中。。。
上流に向うとダンプカーと何台もスレ違い、どうやら河川工事をしちゃってる模様。
適当な河原に乗り入れ、川の様子は雨で増水していた。大して濁りは入ってないので、この水量に合わせて大物を掛けても良いように中流域用の8ftタックルをセットして出撃です。

 堰堤?の吐き出しは大きなプールになっており、まずはDコン63で表層の様子を伺う。
仮にも渓流とは言え、この水量があればナニが出るかもワカラン♪
Dダイレクト・DDパニッシュで増水した流芯を攻め、終いにはDコン85で広範囲まで投げたが沈黙の増水。
ココで一発大物を釣れば絵になるんですがネ〜。(笑)

 上流に移動するとまた雨がザンザンに降って来て、なんと川を見たら大増水!!
間一髪の鉄砲水でしたネ、、、危ない危ない。(^^;
なかなかの良さそうな川でしたので、楽しみはまた来年にと。


 しぶしぶ山を下り、帯広の【懐】へと行くが、2:30にしてもう終了しちゃってます。
朝起きたら雨、釣りに行くと雨、目的のラーメン屋にもフラれ、今日はこんなモンでしょ。
では今年も【めん吉】へと向かい、ミニ豚丼ラーメンセットの醤油で。

 普通に美味く、当り前に美味いのだが、なんだか昨年ほどの感激もナシ。。。

 今日は日高に向おうか。
とりたてて行きたい場所も無く、ガッツも無く、、、覚悟はしていたが、こんなにも雨で心の中まで湿気ってしまうとは悲しい事でもあり、せっかくの北海道も帰りまで秒読み開始と決め付け、期待のカケラも残っていない。

 例え雨の中でも大回りしてトマム経由するのは自分への慰め。
増水している鵡川を見つつ、PM6:00には日高に着き、セーコーマートに立ち寄ると消防訓練の如くにドシャ降りとなり、駐車場から目の前の入り口にも行けない状態で誠に不愉快ナリ。
 まずは温泉に行き、ちょいと振り返って反省会などをしんみりと。
どうも前半戦で運を使い切ったらしく、アメマスの祟りなのかとも考えてみたりする。(^^;
温泉から出ても雨足は衰えるどころか激しさを増し、今夜は、今夜は、、、


 キャンプ場隣りの川沿いの空き地へと行き、今夜も車中泊を余儀なく決定だと。
あまりの雨で窓さえも開けられず、今夜は豪勢にエアコン付きの車内でディナーです。
・・・って、う゛〜ん不毛ダ、、、

 〜295km






8月19日 土  曇りのち晴れ♪   日高キャンプ場横の空き地〜   
 昨夜はトンデモナイ雨が降りマクリの、5:00に目を覚ますと雨は上がっていた。
してして、ふと窓の外を見ますれば、、、沙流川が大爆水とわっっっ!!!
ヤバイ位の超水位だが、コレ以上は増えないだろうと安心してまた寝るzzz。

 また7:00には起き、川の様子を見ると、さっきよりも落ち着いたか?
キャンプ場の一部は池と化し、道を挟んで公園も大きな池になっていた。
数年前を思い出すナ〜、、、やはり公園内で泊まらなくて正解だったゾ、と。
アレ?ケータイが圏外になっちゃってる?
まさかアンテナ塔が嵐で流れちゃったのか??(←ちょい不安)

↓夜はトンデモナク増水してたらしぃ。。。(^^;


 この爆流の轟音の中、余裕カマシてスベアに火を入れてコーヒー。
ここからだと川は見えないが、まるで低い地響きの如くに自然の荒れ狂った音が聞こえて来る。ソレは単に水流だけとも違い、水の中から石がぶつかり合う様な硬い響きなのでもある。

 プレヒート後のスベアはVeVeVeVeeeっと立ち上がり、川の悲鳴とは違って心休まる音色を奏で始める。
この音を聞いていると安心できる。一人でスベアを見つめ、、、何度も何度もこうして来たんだ。
北海道の朝はこんな感じで、コーヒーの香りとガソリンの無機質な甘い香りで始まる。
そしてコーヒーをすすりつつ、クルミ&メイプルパンをつまみながら、この日記を書いてるってなワケだ。


 雲が薄くなり、少しずつではあるが青い空が見えて来た。
まぁネ、この荒れ様だとドコに行っても釣りは無理だろナ。
このままで晴れてくれさえすればヨシとして、ゆっくりチンタラとフェリーまで向いましょうか。
 がしかし、、、
まだケータイが不通のままで、まさか北海道を残して日本が沈没してるって事は、、、ナイか。(笑)


 10:30,十分にの〜びのびしての出発。
御土産屋に行って適当に物色し、精算でカードを出すと、ナント使えないとナ!!(^^;
一般電話回線もヤラレちゃってるらしぃ。。。
更に情報だと、この日高町から日勝峠と平取方面が寸断されて通行止めだそうナ。(-.-)
昨夜はこの日高地方を中心に、コレデモカッ!ってばかりに降りヤガッたんだと。
おかしいナ〜、オレは雨男ぢゃナイんですケドネ〜。

 もしかして山を越えたら?なんて考えで、ダメ元でトマム方面に行ってみます。
すると、双珠別川が大氾濫!
ましてや鵡川は大爆水の真っ最中!!
富良野に行けばとかも思ったが、変に賭けをするよりも釣りは諦めますか。(T_T)

 さて、苫小牧に行くには夕張経由でしか行けません。
そうだネ〜、夕張から千歳にでも出て、ラーメン屋に行きましょうか。
ン、千歳?千歳??そうだ千歳川ならば支笏湖が水源なので雨でも濁ってないかも〜♪
キマリです、千歳に向いましょう。(←まだ諦めてなかった人)


 PM2:00,ビンゴ!千歳川はクリアー♪
安心してまずは腹ごしらえです、千歳のラーメン屋【一平】に行きます。
この時間にして行列が出来ているとわっ!?!?

 少々の待ち時間で店内に入られ、じっくりと店内待ちなのです。
待っている時に注文を聞いてくれ、『味噌ラーメンを♪』
小さな店内は味噌とニンニクの香りでソソリマクリです。
野菜を炒めてのスープ係りが御主人か?
麺上げしながら客をさばいてるのは娘さんか??
見ているととても手際が良く、更には客に対しての目配り・気配り・心配りが手に取る様に見えます。
こりゃもう接客の鑑です、味よりも大切な店の味なのです。

 空いたカウンターに案内され、数分すらも待たない内に目の前の娘さんから、
 「お味噌です、おまたせいたしました。」

スゴイです!スゴスギます!!おみそです♪
待ち客と食べている客とを全て見て、御主人と計算づくで作ってます!!!

↑「おみそです♪」

 白菜とモヤシ炒めが入り、表面には油の膜が張ってニンニク風味の味噌ラーメン。
硬めに茹でられた黄色い麺は、たぶん西山の#20縮れだナ、と。多目の油はラードかと思いきや、サラリとしたコクの植物油。野菜の甘味と穏やかにして円やかな味噌で、少々カチョイが美味さが上です。
 オレの隣りで食べてる品の良い御婦人、こんなにも混んでるのにラーメンの為に並び、花柄のハンケチで上品に額の汗を拭きつつも味噌ラーメンを食べています。この店、味的には珍しくもないと思うが、この娘さんの接客姿勢が味の半分以上を占めているのではなかろうか?

 『ごちそうさまでした。』
食べ終わってレジの女の子に聞いてみると、やはりあの方は御主人の娘さんだそうナ。
会計し、玄関へ一歩出て、も一度振り返って厨房に挨拶をすると、
 「ありがとうございました。」

 鑑です、女神様です、来る客・待つ客・食べてる客・出る客の全てを見ています!!
求められる最低限かつ最高の接客がこの店にはありました。
素晴らしい店です、こんなにも見事な接客は滅多にありません。
人気の繁盛店とは、この笑顔、この姿勢から成り立つのですネ〜。


 気を良くした野良屋さん、フェリーはまだだし、釣りは少しでも振れればイイし、まだ食えそうだし、欲出して毎度の事ながら連食をしに行ってみちゃったりもします。(^^ゞ
 もう10年前位か?、以前は道南にフェリーが着いたので、この千歳はいつも通っていた。市街地は大キライなのだが、道が駅前を通っているのだからシブシブ通過していたのである。駅前のシケインを抜けると、毎年きっと行列が出来ているラーメン屋があったんだ。
 ある年、名物とあらば食べてみようかと行列に加わって並んで食べた事があり、大して美味くもないし、並ぶ程の魅力を見い出せなかったのがこの店なのダ。(←注:特には名を伏せる)

 あの行列はいずこやら、駐車場もガラ空きなのでした。
お客は3組ほど居ての、、、オレは以前と同じ席に座ってみました。また味噌にしようかと思ったが、
 『○○ラーメンの蔵出し正油で。』

 相変わらず厨房の中は見えず。その厨房との隙間が油汚れで汚く、、、ホールレディはカウンターで昼飯のチャーハンなんか食べ始めちゃってますし、淡い思い出の期待が意気消沈。。。(^^;
早々とラーメンが来ました。そのラーメンはと、少々の炒めモヤシが上がっていて、とても蔵出し正油の謳い文句とは思えない控えめな香りの正油スープ。プリッとした#18縮れの麺は美味いが、目玉の大振りの肩ロースチャーシューはパサパサで旨味が無く、まるで冷凍のまま煮たってな感じだか、いつ作って何日冷蔵庫に入っていたかワカラン様なパサツキの味気無さ。甘味のあるスープは悪くはないが、とってもタレが安っぽい出来で、たぶん業販チューンなのではと?
あ〜ぁ、やっぱり『べつに、、、』って味でした。



 シマッタ、要らん道草を食ってしもた。(笑)
PM3:00,町外れの千歳川に入る。
国道沿いの有名ハイプレッシャーポイントである。濁りも増水も無く、もしかして昨夜は雨が降らなかったのか?と疑う程に澄んだ水が悠々として流れていた。
今日はもうイイんだ、クリアーな川で何投かロッドが振れれば良い。

 道から降りて川に入り、大曲がりの対岸にDダイレクトをキャスト!
が、この一投目でヒットがあり、一度だけジャンプしながら茶色の、、、って、20cm位の魚が足元でナチュラルリリース。もしかしてブラウンだったのかも??
 その1匹で当たりは無く、堰の落ち込みや深場や瀬も探るがサッパリでした。
う〜ん、どうしたものか、満足どころか煮え切らなくなって来たゾ。
まイイか、澄んだ川で振れたし、魚の感触だけはあったし。


 また次回の為にと、川を見ながら帰る事に。
来る時に通った道の近くに支流があった。カーナビを見ながら、どこともなしにその地点に行って見る。
その川は平坦な流れで小砂利でフラットな川底で、所々に藻が生えていて、フライで小物と遊べそうな川。
ちょっと下流に行くと藻が多くなり、ルアーで探れそうな場所は無いよナ〜。。。


 用水路?からの落ち込みがあり、そこだけはちょっとだけ深場にはなっている。
付近は藻が水面まで生え重なり、足場も無いしなどと考えながら見ている。
もう傾きかけた陽の光がオレの背中越しからチラチラと射し込み、
吐き出し口の下の枝から跳ねた飛沫が、小さな小さな虹を映し出している。

 ロッドを持って来た。
上流の浅瀬に立ち、Dコン63を付け、吐き出し口の向うにキャスト!
落ち込みと藻の間をロッドを立てながらトレース。
陽がまた雲に隠れ、水面上に淡くも浮かんだ虹は、徐々に飛沫と共に流れに溶け込んで行く。

 ゴンンッ!っとロッドに衝撃が伝わる、
 短いドラッグ音と共にアワセると、ロッドはグリップから曲がって下流へと突き刺さる、
 グングンと引く、近くの藻が揺れる、
 落ち込みの向うから、虹が、ニジが舞い上がった!

 『すっげぇぇぇ〜っ、
    レインボォォォォォ〜ッ♪』



 ロッドとオレの顔をベナベナにしながら、目の前で、また、虹のアーチが作る出される。
藻に入られまいと操作し、足元の浅瀬まで無事に寄せた。
ネットは使わない、その体色の濃い逞しいボディー、
大きな鰭で浅瀬に来ても暴れ、やっと落ち着いたところでフックを外してリリース。

 『サンキュー、バイバイ!』



 もうポイントは無い、もうこれ以上の欲求も無い、もう、時間も、無い。
あるのは満足感と、叫び出しそうなまでの至福の思い、そして、帰りのフェリーチケット。

 ラストは予期せぬ天からの恵みであった。。
1週間ほどしか居ない旅人にとって、この上ない仕上がりを魅せてくれた。
これが北海道という舞台の演出だとしたら?
これが永遠に続く接客術だとしたら?
数え切れない程に天然無垢の雨を降らせ、
そして記憶に刻まれる素晴らしい虹を幾重にも重ねてくれた。
風の神に、大地の神に、水の神に、感謝。



 もう振り返らずに苫小牧へと向う。
まだチョットだけ時間があるので、埠頭に行かずに直進して寄り道をば。
【山頭火】です。この店は北海道(旭川)から飛び出して全国展開の有名ブランドなのだが、新潟県ではウケずに思いもよらぬ惨敗で、2店とも既に撤退してしまっている。低加水麺が悪かったのか、生臭魚風味のトンコツが悪かったのか、少なく見えるプレゼンと値段の高さも起因していたであろうと。オレは嫌いではないのだが、夏に北海道に行けば食えると思って、実は新潟の店には行った事がなかったりもします。(笑)
 なので、帰っても食べられない店なので数年振りに入ってみました。
ほぉほぉ、今は≪あっさりとした鶏ガラらーめん≫なんてのもあるんですネ〜。
でも無難に『しょうゆラーメン♪』

 してして、チャーシューは美味いのだが、スープに前程のコクや円やかさが少なく、【山頭火】らしい魚の甘味や生臭さも少なく、750円にしては味気のない普通程度のライトトンコツにしてカチョスギ!!(^^;
10年位前に初めて食べた時は美味かったんですケドネ〜。。。




 フェリーに着き、ほどよく乗船。
ビール片手にこの日記を書きつつ、今年の北海道に乾杯♪
晴れたり降ったりの日記を読みながら、ニヤケたり眉を歪めたりしてビール2本目。
書きかけのままでノートを閉じ、残りのビールを飲み干して部屋へと帰る。





   夢を見たんだ、
  キャンプ場でも、この二寝のベットでも。
  本流芯にキャストしたミノーは流れを掴んで放さず、
  ロッドとラインを通して、オレの意思が水中でアピールしている。

  オレは、オレは、、、
  虹が、虹が魚に変化する瞬間は見たんだ。
  さっきまであった水面上の虹が消えた瞬間、ロッドに衝撃が走り抜た。
  そして虹は魚へと姿を変え、また水面上へと虹のアーチを作ってくれた。

   
『レインボォォォォォ〜ッ♪』

  陽の光りより生まれしレインボートラウト、
  そのボディーには虹色のバンドが走り、宙へと跳躍し、
  オレを狂わせ、またこの地へと、光りが尽きるまで魅了し続ける。




  Let’s北海道 2006” 完



 走行距離 2161km

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